『東三河今昔【創作】物語集(12)【玉林編】』第5章
乳岩峡でハイキングしていた人気タレント・玉林が痴漢に遭い、地元の人間と霊能探偵が犯人を逮捕するの巻
第5章 痴漢はアカン!
亀頭は絶叫した。「コラァアアーーー!!痴漢はアカンぞぉおおーーー!!!」
玉林に抱き着いていた般若男は、驚いて振り返った。
叫びながら走ってくる亀頭と、その後に付いてくる神谷を見て、般若男は玉林を突き飛ばして逃げ出した。
亀頭は絶叫しながら走り続けていた。
「待てぇええーーー!!この野郎ぉおおーーー!!!」
神谷は倒れた玉林を抱き起して言った。
「大丈夫ですか?」
玉林は彼に答えた。
「へば、だぢょぶだ。いがいにたげびっくりしたじゃ・・・」
神谷は彼女の津軽弁を完全に理解できたわけではなかったが、何となくニュアンスをつかむことはできた。
「すいません、犯人を捕まえてきます。その後に、また来ますね。」
神谷は彼女にそう言うと、般若男を追いかける亀頭の後を走っていった。
般若男に追いついた亀頭は、その後ろから抱き着いてこれを転倒させた。
「もう逃げられんぞ!おとなしくしろ!!」
彼らに追いついた神谷は亀頭に言った。
「やりましたね!犯人を捕まえた!!」
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