『東三河今昔【創作】物語集(14)【葦岡リホ編】』第1章
東三河の山で道に迷った猟師と霊能探偵に、山小屋の葦岡リホがポンポコリンラーメンを振る舞うの巻
第1章 ポンポコリンラーメン
今は昔、東三河にはポンポコリン食堂という高級食堂があった。その食堂の名物・ポンポコリンラーメンは特に人気で、東三河に住む庶民の誰もが憧れる食べ物だった。
ポンポコリンラーメンは、タヌキ、イノシシやシカなどのジビエ出汁が濃厚で、非常に高級なラーメンである。
そのため、一般の庶民は盆暮れ正月など、特別な日にだけポンポコリンラーメンを食べていた。
一度でいいからポンポコリンラーメンを飽きるまで食べてみたい・・・それは東三河に住む庶民のささやかな夢だった。
東三河の霊能探偵・神谷龍之心は地元の猟師・星野の話を聞いていた。
「星野さんが猟師で、仕留めたタヌキ、イノシシやシカなどをポンポコリン食堂に売って、お金にしているのは分かりました。しかし、相談内容がよく理解できなかったのですが・・・」
神谷がそう言うと、星野は詳しく説明した。
「ですから、猟のために山に入った猟師が道に迷ってしまうんです。未熟な猟師が迷子になるという話ではなく、熟練の猟師がですよ。おかしな話です。」
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