『東三河今昔【創作】物語集(14)【葦岡リホ編】』第4章
東三河の山で道に迷った猟師と霊能探偵に、山小屋の葦岡リホがポンポコリンラーメンを振る舞うの巻
第4章 道に迷う
二人は一本道の林道を引き返し、黙々と歩いていった。1時間も歩けば林道の入口に着くはずである。しかし、いくら歩いても入口に着かない。星野が神谷に言った。
「おかしい・・・神谷さん、こんなに歩いて入口に着かないなんて・・・」
神谷は冷静に言った。
「星野さん、落ち着いてください。とりあえず、少し休みましょう。」
二人は近くにあった大きな岩に腰かけた。星野はつぶやいた。
「なんてこった。私が迷子になるなんて・・・信じられない。このままでは遭難してしまう。」
神谷が星野に質問した。
「星野さん、近くに山小屋があるんですかね?」
星野が神谷に聞き返した。
「山小屋?私は知りませんが・・・どうしてそんなこと聞くんですか?」
神谷は、林道の路肩に立っている、古ぼけた小さな看板を指差して言った。
「あの看板に山小屋と書いてあるような・・・看板が古すぎてはっきり判読できないんですが。」
星野は看板を見つめながら言った。
「本当だ、気付かなかった。この近くにあるようですね。」
星野が看板の近くにある山道を少し登ってみると、確かに古い山小屋が見えた。
「神谷さん、山小屋がありますよ。すぐそこです。ちょっと覗いてみましょう。」
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