『東三河今昔【創作】物語集(14)【葦岡リホ編】』第6章
東三河の山で道に迷った猟師と霊能探偵に、山小屋の葦岡リホがポンポコリンラーメンを振る舞うの巻
第6章 化け狸
二人が鍋の中を覗くと、ポンポコリンラーメンがおいしそうに煮えていた。星野が驚いて叫んだ。「ポンポコリンラーメンだ!こんな山の中でこんなものが食べられるなんて!!夢のようだ!!!」
神谷は冷静に言った。
「星野さん、これは夢ですよ。こんな山の中でポンポコリンラーメンが食べられるはずないでしょう。」
神谷はリホをにらみつけながら言った。
「私は霊能探偵だ!騙されはしないぞ!!」
星野が破邪の呪文を唱えると、リホは正体を現した。
「人間どもがぁあ!こんなラーメンのために山の獣を殺して・・・許しはせん!!許しはせんぞぉおお!!!」
正体を現した化け狸は、山の獣道を逃げていった。
化け狸が姿を消すと、二人が居たはずの山小屋も消えてしまった。星野がつぶやいた。
「まるで夢を見ていたみたいだ。目が覚めたらラーメンも山小屋も消えてしまった。」
神谷が星野に言った。
「道に迷った時点で、あの化け狸に化かされていたようです。とにかく、林道に戻って山を下りましょう。日が暮れてからまたあの化け狸に化かされたら、本当に遭難しかねません。」
二人はその後、無事に山を下りることができたとさ。ジビエだし、ジビエだし。
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