『東三河今昔【創作】物語集(5)【大池エイコ編】』第1章
東三河の新宮党を懲らしめるために依頼した名古屋最強の美人地面師・大池エイコが、その恐ろしい実力を遺憾なく発揮するの巻
第1章 地面師たち
今は昔、日本には地面師がたくさんいた。地面師とは、土属性の魔獣を使役する魔導師である。同様に、水属性の魔獣を使役する魔導師は水面師、火属性の魔獣を使役する魔導師は火炎師と呼ばれてきた。
しかし、近代になって水道や電気・ガスが普及すると、水面師と火炎師のほとんどは廃業してしまった。
魔術よりも科学という時代の流れに、誰も抗うことはできない。地面師たちもまた、減少の一途である。
しかし、東三河のとある地域では、地面師たちが廃業することなく生き残っていた。
こんな時代に魔導師を続ける連中である。少し乱暴で、アウトローを気取るような者が多かった。
東三河の霊能探偵・神谷龍之心は今、事務所で相談を受けていた。
相談者は、地面師たちがいる集落の近くに住む伊藤である。
「神谷さん、新宮党の地面師たちのことなんですがね。数日前にまた、別の集落で大暴れしたらしいんですよ。」
神谷は伊藤に言った。
「最近、多いですねぇ。」
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