『東三河今昔【創作】物語集(9)【山多ユウ編】』第2章
東三河の山でハイキングしていた元人気モデル・山多ユウが妖怪・山ガールにさらわれ、地元の猟師と霊能探偵に救出されるの巻
第2章 猟師の依頼
神谷の質問に、森田は少し怒りながら答えた。「それが神谷さん!役所の連中は、集落の人間の話を真剣に聞いてくれないんです。山ガールなんて昔話だろう、本当に存在するはずがないじゃないかと思ってるんです。本当にひどい話です!」
神谷は森田をなだめながら言った。
「まぁまぁ、森田さん。それも無理はありません。日本は急速に近代化し、この東三河でも電気・ガスや上下水道が整備されつつあります。夜の街は街灯で照らされ、人々は夜の闇への恐怖を忘れつつあります。」
森田は本題に入った。
「神谷さんに依頼したいことがあるんです。私は集落の猟師ですから、銃を持って山へ捜索に行こうと思うんです。でも、相手はあの恐ろしい山ガールです。さすがに私一人では心もとないと言いますか、心細いと言いますか・・・」
神谷が森田に言った。
「森田さん、一人で山に入るなんて危険ですよ!山ガールに遭遇したら大変です。さすがの山ガールも猟銃には敵わないとは思いますが・・・分かりました。念のため、私も同行しましょう。」
森田は頭を下げて言った。
「ありがとうございます。神谷さんがいれば百人力ですよ。本当に助かります。」
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