『東三河今昔【創作】物語集(5)【大池エイコ編】』第3章
東三河の新宮党を懲らしめるために依頼した名古屋最強の美人地面師・大池エイコが、その恐ろしい実力を遺憾なく発揮するの巻
第3章 名古屋の地面師
神谷はしばらく腕を組んで考えていたが、やがて伊藤に言った。「うまく行くかどうか分かりませんが、一つ方法があります。」
伊藤は神谷に聞いた。
「どんな方法ですか?」
神谷が説明を始めた。
「名古屋の地面師に依頼して、新宮党を退治してもらうんです。」
伊藤は驚いて言った。
「名古屋って・・・名古屋にはもう地面師なんかいないでしょう。名古屋は特別武装警察による取締りが厳しくて、魔導師が技を使おうものなら、その日のうちに捕まるでしょう。下手をすれば、その場で処刑されてしまうと聞いたことがあります。」
神谷は説明を続けた。
「えぇ、そのとおりです。それで名古屋の魔導師は全員、廃業してしまいました。でも、廃業したけれど、魔導師の技を使いたくて、くすぶっている連中はたくさんいるでしょう。」
伊藤は神谷の話を理解して言った。
「あぁ、なるほど。でも、確かに、うまく行くかどうかは分かりませんね・・・」
神谷は伊藤に言った。
「とりあえず、私は名古屋に行って、そういう地面師がいないか調べてきます。」
伊藤は頭を下げて言った。
「そうですね、よろしくお願いします。他に方法がありませんから。」
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