『僕のパートナーはラブドール(3)【完結編】』第5章
突然、部屋にやって来たタイムパトロールの捜査官により、シオリは回収され、代わりに現代の最新ラブドールが戻ってきたの巻
第5章 ラブドールの回収
中山はシオリの顔を見た。シオリは悲しそうな表情をしていた。しかし、彼女は人間ではない。ラブドールである。悲しいという、人間が持つ感情を本当に感じているのだろうか。中山には分からない。風間は彼に聞いた。
「ご理解・ご協力いただけますでしょうか?」
中山は言葉が出てこなかった。代わりに小さく頷いた。
風間はスマートウォッチを操作した。
その途端、シオリは静かに目を閉じて、そのまま電池が切れたように動かなくなってしまった。
そして次の瞬間、シオリの姿は煙のように消えてしまった。
「転送は完了しました。ご協力、感謝します。それでは。」
風間はそういうと、再びスマートウォッチを操作した。彼もまた、煙のように姿を消してしまった。
ピンポーーーン!
玄関のチャイムが鳴った。きっとシオリの代わりに、現代の最新ラブドールが届いたのだろう。
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