『東三河今昔【創作】物語集(2)【能念レナ編】』第4章
東三河の遊郭に売られた人気タレント・能念レナは、霊能探偵による説得もむなしく、悪魔将軍として闇に消えるの巻
第4章 名前を呼んではいけないあの人
神谷は使い魔に聞いた。「ノンさんはどこにいるんだ?」
使い魔はとぼけて言った。
「ノンなんて名前の奴、知らないねぇ。」
神谷は使い魔に聞き直した。
「能念レナさんはどこにいる?」
使い魔はおびえた表情で叫んだ。
「ヒィイーー!恐ろしい、お前はなんと恐れ多いことを。あのお方の名前を・・・名前を呼んではいけないあの人の名前を呼ぶとは・・・」
神谷は使い魔を尋問した。
「お前は知っているんだな。レナさんはどこにいるんだ?!」
使い魔はうずくまって震えていた。その時、地面が震えるほどに恐ろしい声が聞こえてきた。
「私を呼ぶのは誰だ?あの小賢しい霊能探偵か?!」
地面に大きな影ができたかと思うと、そこから大きな体の魔物が出現した。
「私は能念レナ。人間だった頃に、そんな名前で女優として活躍していた。しかし、悪魔となった今、そんな名前はもうどうでもよい!私は全ての悪魔を統べる者・悪魔将軍だ!!」
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