『東三河今昔【創作】物語集(7)【山野内スズ編】』第1章
名古屋に向かう暴走列車の中で、風魔の術師・山野内スズによる魔獣退治を東三河の霊能探偵が目撃するの巻
第1章 蒸気機関車
今は昔、日本の鉄道は全て、蒸気機関車だった。電気が普及して電車が汽車に取って代わるのは、まだまだ先のことである。
東三河と尾張をつなぐ鉄道ももちろん、まだ汽車であった。
東三河の霊能探偵・神谷龍之心は今、汽車に乗っていた。
名古屋に向かう列車の中で、神谷は座席に座りながらスマホを見ていた。
彼はスッポン女の件以来、時々名古屋の遊郭サイトをチェックしていた。
そして数日前、見つけてしまったのである。
とある遊郭サイトの紹介写真の中に、人気セクシー女優・青井ソラを見つけたのである。
神谷はその写真を見つめながら、一人つぶやいた。
「そっくりだ。本人に違いない。」
東三河の街の駅を出た汽車は、黒い煙を吐きながら走り続けていた。
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