『僕のパートナーはラブドール(1)【佐東シオリ編】』第6章
タイムトラベラーにラブドールを壊されて、その代わりに未来の最新モデルをプレゼントされたけれど、どう見ても人気タレント・佐東シオリであるの巻
第6章 パートナーはラブドール
ラブドールはなぜか、佐東シオリにソックリだった。中山はつぶやいた。「なんで、よりにもよって、佐東シオリなんだ?」
彼女はどう見ても生の人間である。とても人形とは思えない。
「これは・・・素人を巻き込んだ、大掛かりなドッキリとしか思えない。」
シオリは中山に聞いた。
「あなたのお名前を教えていただけませんか?」
中山は彼女を見つめながら答えた。
「僕は、中山太郎です。」
「太郎さん、よろしくお願いします。それでは早速、セックスしますか?」
中山はシオリの言葉に仰天し、思わず叫んでしまった。
「お前、本当は佐東シオリなんだろ!ふざけんじゃねーぞぉ!!カメラマンとかスタッフとか、どこに隠れていやがるんだぁあ!!!」
シオリは中山の怒声に驚き、やがて悲しそうにシクシク泣き出した。中山は慌てて言った。
「ごめん、シオリさん。急に怒鳴ったりして、びっくりさせて申し訳ない。とりあえず、お話をしましょうか。今、コーヒーか紅茶をいれますから・・・」
シオリは彼に言った。
「じゃあ、コーヒーでいいです。」
「・・・コーヒー・・・飲めるのかな?」
中山はやがて、彼女と共にとんでもない騒動に巻き込まれるのだが、今はまだ知る由もなかった。
・『僕のパートナーはラブドール(1)【佐東シオリ編】』目次に戻る。