『東三河今昔【創作】物語集(5)【大池エイコ編】』第2章
東三河の新宮党を懲らしめるために依頼した名古屋最強の美人地面師・大池エイコが、その恐ろしい実力を遺憾なく発揮するの巻
第2章 新宮党
件の地面師たちは昔から、東三河では新宮党と呼ばれてきた。なぜそう呼ばれるようになったのか、本人たちも知らないらしい。多分、大した由来ではなかったのだろう。
今となってはその由来を誰も知らないけれど、みんな新宮党と呼び、本人たちもそう自称している。
伊藤は神谷に言った。
「もう周辺の集落の人たちは本当に困っていて、我慢の限界です。神谷さんの力でなんとかなりませんかね?」
神谷は答えた。
「なんとかすることはできますが・・・正直、あまりやりたくないですね。新宮党と戦って、勝つことができたとしても、大人しくなるのはその時だけです。彼らは敵にしつこく嫌がらせを続け、隙を突いて襲撃を繰り返すでしょう。」
伊藤は悲しそうな顔で言った。
「そうですか・・・そうですよね。本当に、どうしたらよいのでしょう・・・」
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