『幽玄鉄道の夜(8)【豊橋公園広場のデイダラボッチ】』第5章
国民的な実力派歌手・杜口ヒロコが、幽玄鉄道の旅人・草野崇と豊橋公園広場でデイダラボッチを目撃するの巻
第5章 デイダラボッチ
草野は駆け寄ってきたヒロコと合流し、一緒に走り続けた。後ろでは山のように大きな巨人・デイダラボッチが、逃げ遅れた人々をつまみ上げては食べているようだった。
デイダラボッチは、つまみ上げた人間をそのまま大きな口に放り込み、一口で呑み込んでしまう。
草野とヒロコは懸命に走った。
デイダラボッチは足元の人間を食べるのに夢中で、二人はその間に会場から離脱することができた。
幽玄鉄道に乗り込んだ二人は、座席に座り込んだ。
しかし、ずっと走り続けたので息が苦しく、しばらく話ができなかった。
・『幽玄鉄道の夜(8)【豊橋公園広場のデイダラボッチ】』目次に戻る。