『東三河今昔【創作】物語集(2)【能念レナ編】』第5章
東三河の遊郭に売られた人気タレント・能念レナは、霊能探偵による説得もむなしく、悪魔将軍として闇に消えるの巻
第5章 悪魔将軍
神谷は悪魔将軍に言った。「悪魔よ。レナさんの体を返してくれ!」
将軍は冷酷に言った。
「返してもいいが、彼女の魂は今、我が魂と一体だ。お前たちは魂のない彼女の死体を持ち帰り、葬式でもやりたいのか?」
彼は悪魔将軍に聞いた。
「何が望みだ?私たちは、彼女の魂と体を取り戻したいだけだ。お前はなんのために、こんなことをしているんだ?」
悪魔将軍は大声で言った。
「彼女の魂の叫びを聞かせてやろう。タレントとして活躍して、どんなに人気が出ても、名声を得ても、お金をもらっても、満たされない渇望・・・私は悪魔将軍として復活し、魔界を・・・そして人間どもを恐怖と絶望で統べるのだ!」
神谷は叫んだ。
「待てっ!それはお前の、悪魔の欲望だろう。彼女の魂は・・・」
悪魔将軍は笑いながら言った。
「ハハハッ!さらばだ、霊能探偵よ、また会おう。その時には、この世は恐怖と絶望のるつぼと化しているだろう!!」
悪魔将軍はそう言うと、闇に消えてしまった。いつの間にか日が暮れて、外はもう暗くなっていた。
使い魔の姿もいつの間にか消えていた。
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