『僕のパートナーはラブドール(3)【完結編】』第6章
突然、部屋にやって来たタイムパトロールの捜査官により、シオリは回収され、代わりに現代の最新ラブドールが戻ってきたの巻
第6章 後日談
シオリがいなくなって数週間が経った。中山はしばらく、なんだか切なくて、悲しくて苦しかった。(おかしいな。らしくない。こんな気持ちになるなんて・・・)
中山は部屋でテレビを見ていたが、番組を真剣に見ているわけではなかった。
テレビの画面をボーッと眺めながら、物思いにふけっていた。
(彼女はラブドールというよりも、人間だった。彼女をラブドール扱いしていたら、俺は人として大切な何かを失っていただろう。)
彼は飲みかけのコーヒーを少しすすってから、一人つぶやいた。
「しかし、彼女を人間として扱うには、僕の器量と甲斐性が足りなかっただろう・・・」
中山は部屋の片隅に置いてあるラブドールに目をやった。
シオリの顔を思い出すと、最新の高級ラブドールも色あせて見えるのだった。
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