『東三河今昔【創作】物語集(6)【浜部ミナミ(?)編】』第5章
名古屋市議会議員となった元地面師・大池エイコからの依頼により、東三河の霊能探偵が名古屋の遊郭で妖怪・スッポン女を退治するの巻
第5章 破邪の呪法
まだ夢から覚めない神谷はうろたえながら言った。「えっ?!ミナミちゃんが・・・嘘だぁ!デタラメ言うなぁあ!!」
エイコは手に持っていた大きな鏡を神谷に手渡した。
「これは真実を写す照魔鏡。神谷さん、これを見て。」
神谷は照魔鏡に写されたミナミの姿を見た。そこにはおぞましい妖怪の姿が写っていた。
妖怪・スッポン女は舌なめずりをして神谷を見つめていた。
「ぎゃぁああーーー!!」
神谷は思わず叫んでしまった。
エイコが叫んだ。
「神谷さん、しっかりして!チャンスよ!!」
神谷はエイコに叱咤され、深呼吸して気持ちを落ち着かせた。
「そうだ、そのために来たんだ!1回目でいきなり引き当てたチャンスだ!!」
神谷は呪文を唱えた。破邪の呪法である。
呪法をかけられたスッポン女は一瞬、硬直した後に、そのまま灰となって崩れ落ちてしまった。
神谷はその灰を見つめながら、寂しそうにつぶやいた。
「ミナミちゃん・・・」
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