『東三河今昔【創作】物語集(3)【新柿ユイ編】』第6章
東三河を旅行中の人気女優・新柿ユイは、妖怪・柿太郎にさらわれ、霊能探偵に救出された直後に大爆発を目撃するの巻
第6章 柿太郎大爆発
柿野が大声で叫んだ。「神谷さん!柿太郎がやばいです!!」
神谷は柿太郎を見て驚いた。柿太郎の股間がポッキーのような状態になっていた。神谷はユイに言った。
「まずい!とにかく軽トラに乗ってください!!早くここから離れないと。」
ユイは相変わらずわけが分かっていなかったが、とにかく言われたとおり、急いで軽トラに乗り込んだ。
神谷が柿野に言った。
「早く逃げましょう!柿太郎が爆発します!!」
柿野は軽トラを発進させると、猛スピードで現場から離脱した。
やがて彼らを乗せた軽トラは後ろからのまぶしい閃光に包まれ、その後に軽トラが震えるほどのものすごい爆発音が鳴り響いた。
そして猛烈な爆風が軽トラを襲ったが、十分に離れていたので横転せずに済んだのだった。
柿野は路肩に軽トラを停車した。神谷と柿野は軽トラから降りて、柿太郎大爆発の現場を振り返った。
幸いなことに、周囲は広大な田んぼと畑しかなかったので人的被害はなかった。
しかし、辺り一帯は完全な焦土と化していた。神谷はつぶやいた。
「これだけの爆発で、犠牲者が一人も出なかったのは奇跡だ。」
柿野はうなづいて言った。
「本当ですね・・・」
わけが分からないユイはただただ茫然と、さっきまで田んぼや畑だったはずの焦土を眺めていた。
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