『東三河今昔【創作】物語集(6)【浜部ミナミ(?)編】』第1章
名古屋市議会議員となった元地面師・大池エイコからの依頼により、東三河の霊能探偵が名古屋の遊郭で妖怪・スッポン女を退治するの巻
第1章 元地面師の大池先生
今は昔、日本にはスッポン女という妖怪がいた。この妖怪は遊郭でスケベな男を誘い、情事の最中にその御珍珍を噛み切って食べてしまうという恐ろしい妖怪である。
急速な近代化によって妖怪がこの世から消えて久しいけれど、この妖怪の噂はいまだに消えることなく続いていた。
都市伝説を盲信する人たちはこの妖怪の存在を信じていて、わざわざネットで注意喚起していた。
大池エイコが、東三河の霊能探偵・神谷龍之心の事務所を訪ねてきた。
彼女は東三河の地面師を退治して以来、それに味を占め、全国各地の僻地に残存する地面師を退治して名声を博してきた。
また、その様子をYouTubeで配信したところ大人気となり、その知名度を利用して地方選挙に出馬し、今は名古屋市議会の議員先生である。
神谷はエイコに言った。
「エイコさん。いえ、今は大池先生と呼ぶべきでしょうか。」
エイコは笑って言った。
「フフフッ。先生なんて呼ばないでくださいよ。私ただの元地面師ですから。」
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