『東三河今昔【創作】物語集(1)【佐々本ノゾミ編】』第4章
霊能探偵・神谷龍之心が、人気女優・佐々本ノゾミの依頼により、その夫・渡辺健の不浄地獄からの救出を試みるの巻
第4章 妖怪・ベンキ男
神谷はノゾミから渡された物を受け取り、布を開いて中身を確認した。布に包まれていた物は、小さな白い陶器のかけらのようなものだった。神谷は驚いてつぶやいた。
「これは?!」
ノゾミは話を続けた。
「私が相談した霊能力者は、それは健さんを拉致した魔物の手がかりだと言っていました。私はその方に懇願したんです、彼を助けてくださいと。しかし、彼女には断られてしまいました。私の能力ではとても太刀打ちできないと。」
神谷は彼女に説明した。
「お話はよく分かりました。これは確かに魔物の手がかりです。魔物の正体は恐らく、妖怪・ベンキ男です。多目的トイレで破廉恥なことをしたので、怒ったベンキ男が彼を地獄に流してしまったのでしょう。」
ノゾミは驚いて言った。
「そんな?!彼は地獄に落とされたと・・・助け出すことはできないんですか?」
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