『東三河今昔【創作】物語集(4)【麻矢ミキ編】』第3章
東三河の中心都市を二分する新コロシアム建設問題は、愛知県令・麻矢ミキの提案によって住民投票にかけられることになったの巻
第3章 当日
とうとう決闘の日がやって来た。旧コロシアムは観客で満員である。賛成派と反対派の剣闘士たちはすでに、闘技場で待機していた。
それぞれ別の場所で輪になり、作戦会議を開いていた。神谷は賛成派の剣闘士の一人として参加していた。
反対派の剣闘士がゾンビ剣士か否か、確認するためだった。
もしゾンビ剣士がいなければ、神谷だけ適当に戦って、危なくなったら早々に棄権・退場する手はずだった。
ところが、反対派の剣闘士は全員、ゾンビ剣士だった。神谷は小さな声でつぶやいた。
「なんてこった・・・」
開会の儀が終わると、審判長の愛知県令・麻矢ミキが叫んだ。
「これより決闘を開始する!」
大きなドラの音が響き渡った。決闘開始の合図である。
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