『僕のパートナーはラブドール(2)【愛武サキ編】』第6章
シオリと名古屋でデート中、ラブドール会社の研究開発員が連れていたパーフェクト・ラブドール・サキに急襲されるの巻
第6章 帰宅
中山はなにがなんだか分からなかったが、シオリの手を取って走り出した。(まずい、とにかく逃げないと・・・警察が来て、職質されて、挙げ句の果てに事情聴取なんかされたら、説明のしようがない!)
シオリはシオリで、なにがなんだか分からないようで、不思議そうな顔で中山を見つめながら走っていた。
自宅に帰った中山とシオリは、とりあえずソファに座った。
「一体、どういうことだ・・・ラブドールの開発者はみんな、頭がおかしいのか?」
中山はブツブツつぶやいていた。シオリが彼に言った。
「コーヒーでもいれましょうか?それとも紅茶にしますか?」
中山は普通に回答した。
「じゃあ、紅茶にしましょうか。」
そう言った後に、中山はまた物思いにふけった。
(そもそも、ラブドールなのに、なんで飲んだり食ったりできるんだ?もうわけが分からない・・・いや、理解する必要はないんだ。問題は、今後のことだ。)
中山は南城の名刺を見ながらつぶやいた。
「しかし、ラブドール会社に売却するわけにはいかんだろう・・・」
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