『東三河今昔【創作】物語集(17)【竹タカコ編】』第6章
東三河のパン祭りに現れた妖怪・アンパン男が巨大化し、スタッフとして参加していた霊能探偵が魔界に送還するの巻
第6章 送還魔法
神谷は冷静に送還魔法を唱えた。「送還魔法・・・発動!」
神谷の詠唱が終わると、巨大化したアンパン男の真下に大きな円い影が現れた。
そして巨大なアンパン男の体は、地面に開いた大きな影の中に沈んでいった。
アンパン男は池で溺れている人間のようにしばらくあがいていたが、やがて地面の影に体の全部が沈んでしまった。
アンパン男の姿が消え、騒然としていたパン祭りの会場は少しの間、静かになった。
しかし、しばらくすると会場の賑わいが戻ってきた。タカコが神谷に聞いた。
「アンパン男騒動は一体、何だったんでしょうか?」
神谷はタカコに自説を開陳した。
「今は飽食の時代です。クリームやチョコレートをふんだんに使った、おいしいパンやお菓子がいっぱいあります。アンパン男は、みんなからもてはやされた昔を忘れることができずに、悔しくて悔しくて仕方がなかったんでしょう。」
パン祭りの会場は、甘いお菓子の香りで満ちていた。みんなおいしいお菓子を頬張って、幸せそうな顔をしていた。
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