令和7年度第2回高認国語問4【漢文】
1 原文(書き下し文)
蓋ぞ嘗みに富人の稼を観ざる。その田美にして多く、その食足りて餘有り。
その田美にして多ければ、則ち以て更休めて地力完きを得るべく、その食足りて餘有れば、則ちこれを種うること常に時に後れずして、これを斂むること常にその熟するに及ぶ。
故に富人の稼は常に美に、秕少なくして實多く、久しく蔵して腐ちず。
今吾十口の家にして、百畝の田を共にし、寸寸にしてこれを取り、日夜に以てこれを望む。
鋤耰・銍艾、上に相尋ぐ者、魚鱗の如くにして、地力竭く。
これを種うること常に時に及ばずして、これを斂むること常にその熟するを待たず。
これ豈に能く復美稼有らんや。
(『古文真宝』より)
2 現代語訳
どうして富人の農作業(農作物)を観察しようとしないのか。美田で実り豊かであり、食足りて余りがある。
美田で実り豊かであれば、交互に休耕して地力を完全にすることができ、食足りて余りが有れば、種まきも常に遅れることなく、収穫も常に熟してから行う。
故に富人の農作物は常に豊かで、実のないものが少なくて実が多く、長く貯蔵しても腐らない。
今、私の十人家族の家は、百畝の田を共有し、細分して取り、日夜に作物を望む。
鋤で掘り起こして種の上に土をかけ、雑草を鎌で刈り取ることを、競う様に行い、次々に重なり合って続くので、地力は尽きてしまう。
種まきは常に遅れ、収穫も常に熟するのを待たない。
どうしてまたよい作物など収穫することができようか。
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