R7年度第2回高認物理基礎大問4解説
大問4
研究発表会で、水面を伝わる波の特徴について発表する準備をしているAさんが、Bさんに相談している。Aさん:まず、実験装置の説明から始めるよ。
最初に用意したのは、波を作るための偏心モーター。
偏心モーターは、おもりの中心から少しずれたところにモーターの軸を取り付けたもので、これを、図1のように水槽の幅よりも少し短い板に固定して、電源を接続すると振動して波源となるんだ。
Bさん:偏心モーターは、スマホの着信を知らせる振動でも使われているって聞いたことがあるよ。
Aさん:なるほど。
さて、図1のように、水槽に水を入れ、水面と波源の板が触れる程度の高さに板をつり下げて、偏心モーターに電源を接続して振動させると、波源の板に平行な波(平面波)を発生させることができた。Aさん:波源の板から長さが$L$の距離まで波が到達するのに必要な時間が$t$なら、平面波の速さ$v$は【ア】になる。
このとき、電源の電圧を調整して偏心モーターの振動数を変えると、平面波の周期を変えられるんだ。
Bさん:平面波の周期を$T$とすると、平面波の波長$\lambda$は【イ】で表せることや、波の振幅を変化させるために、板の高さを調節したことも説明した方がいいよ。
問1【波の速さ】
上の会話文中の【ア】にあてはまる式として正しいものはどれか。・$v = \dfrac{L}{t}$
問2【波の波長】
前の会話文中の【イ】にあてはまる式として正しいものはどれか。・$\lambda = vT$
Aさん:次に、水槽の中の水をできる限り減らして、水深を測定する。
波源の板が水面にギリギリに触れる高さにして波の振幅を調整したんだ。
波の速さは、スマホのカメラを使って動画で撮影して、水槽に貼り付けたメジャーを利用して求めたよ。
Bさん:1つの水深での波の速さを求めるだけでも、大変なんだね。
Aさん:うん、なかなか大変だったよ。
続いて、水槽に少し水を加えて、水深を大きくして、同じように波の速さを求めた。
このように水深を変えたときの波の速さを表1にまとめたんだ。Bさん:このままだとわかりにくいから、グラフにまとめた方がいいね。
Aさん:そうだね。
<Aさんは、グラフ用紙に図2のようなグラフを描いた。>
Aさん:グラフを描いたよ。
縦軸を波の速さ、横軸を水深として、水深が5cmのときの速さを表す点と、水深が20cmのときの速さを表す点とを、直線で結んだよ。Bさん:Aさん、このグラフじゃダメだよ。
Aさん:えっ、そうなの。
Bさん: 【ウ】、描き直しが必要だよ。
Aさん:なるほど、ちゃんとグラフを描き直すことにするよ。
問3【グラフの作成】
Bさんが「描き直しが必要だ」と言った根拠として、上の会話文中の【ウ】にあてはまる文として最も適切なものはどれか。次の①~④のうちから一つ選べ。
① 4つの実験結果を表す全ての点を記入し、全ての点を通る、もしくは、全ての点に最も近づくような、なめらかな曲線を描いていないから(○)
② 深さが5cmと20cmの点は、表1の結果が誤って記入されているから(×)
③ 実験結果を表す一部の点の記入を省略するときは、5cmと10cmや10cmと15cmのように、連続した2点を選んで直線を描かないといけないから(×)
④ グラフを描くときは、必ず原点と最後の点を直線で結ばないと正しくないから(×)
Aさん:ここまでの結果からわかったことを、考察としてまとめておこう。
【考察】水深が大きい、つまり、水深が深いほど、水面を伝わる波の速さが【エ】ことがわかった。
一方、水深によって、波源の板の振動数は変化させていない。
以上のことから、水深が大きい(深い)ほど【オ】が大きくなり、水深が小さい(浅い)とその逆になる。
問4【実験結果の考察】
【考察】の文中の【エ】、【オ】にあてはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。・【エ】:大きい、【オ】:波長
Bさん:わかりやすくまとまったね。
でも、実験を4回しかやってないから、データが少ないと指摘を受けそうだね。
みんなに協力を呼びかけて実験をしてもらおう。
それらのデータも含めた結果を示して考察するといいよ。
<翌日>
Aさん:みんなが協力して測定したデータを図2と同じようにしてグラフを作成したら、図3のように滑らかな曲線になったよ。
Bさん:グラフをよく見ると、2次関数のグラフを横に倒したような形になっているので【カ】ことがわかるはずだよ。
問5【グラフの方程式】
上の会話文中の【カ】にあてはまる文として適切なものはどれか。次の①~④のうちから一つ選べ。
ただし、$a$~$d$は任意の比例定数である。
① 水深が大きくなると、波の速さも大きくなるので、波の速さ$v$と水深$h$とは比例している。
つまり、$v = ah$である(×)
② グラフはなめらかな曲線なので、波の速さ$v$と水深$h$とは反比例している。
つまり、$v = \dfrac{b}{h}$である(×)
③ グラフの曲線は、波の速さ$v$の2乗と水深$h$とが比例していることを示している。
つまり、$v^2 = ch$(または、$v = \sqrt{ch}$)である(○)
④ グラフの曲線は、水深$h$の2乗と波の速さ$v$とが比例していることを示している。
つまり、$v = dh^2$である(×)
Bさん:グラフ中の点の数が多い図3は説得力があるね。
Aさん:発表では、このグラフを使うことにするよ。
発表のまとめとして、インターネットなどで、水面を伝わる波の速さと水深がどのような関係にあるのかを調べ、実験の結果と比較すればいいかな。
Bさん:そうだね。
できれば、今回の実験の結果と身の回りのいろいろな現象との関係も伝えられるといいよね。
Aさん:例えば、海の波にあてはめて考えてみると、沖の方は水深が大きくて、砂浜に近いところは水深が小さいよね。
波が伝わる途中で振動数は変わらないはずだから【キ】ことがわかるね。
Bさん:ここまで準備ができれば、発表は大丈夫だね。
問6【波の性質】
上の会話文中の【キ】にあてはまる文として適切なものはどれか。次の①~④のうちから一つ選べ。
① 砂浜に近い方が波の速さが小さいので,波の周期が小さい(×)
② 砂浜に近い方が波の速さが小さいので,波の周期が大きい(×)
③ 沖の方が波の速さが大きいので,波の波長が小さい(×)
④ 沖の方が波の速さが大きいので,波の波長が大きい(○)
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