人間はなぜ忘れるのか。
1 脳の機能と生存戦略
人間はなぜ忘れるのだろうか。例えば、一度見たものや聞いたこと、考えたことを絶対に忘れないスーパーヒューマンが突然変異か何かで生まれたとする。
もし、忘れるという機能が生存上不利で、絶対忘れない方が生存上有利であれば、旧人類はスーパーヒューマンに駆逐されてしまうはずである。
人類誕生から現在に至るまでそのようなことは起こらず、忘れてしまう普通の人類が地球を支配している。
これは進化論的に何か説明できるような気がする。
実は、そんなことを暇なときに考えたことがある。
今回はそれをメモしておきたい。
2 いくつかの仮説
いくつか仮説を考えてみた。(1)容量仮説
人間の脳の容量には限界があるので、忘れるという機能が備わったという説明である。例えば、コンピュータのメモリやハードディスクは容量が決まっていて、情報を容量限界まで貯めてしまった後は新しい情報を保存できなくなる。
常に新しい情報を保存できるようにしておくには、古い情報の中から重要でないものを少しずつ削除していく必要があるだろう。
(2)情報の取捨選択仮説
効率的な情報の取捨選択のために、忘れるという機能も含めて、脳の諸機能がデザインされたという説明である。外界から入力される全ての情報をそのまま完全に記憶していくと、情報量が膨大になり過ぎて、整理して活用することができなくなってしまう。
そこで、情報の取捨選択が必要になるけれど、忘れるという機能があれば重要でない情報を自然に削除することができる。
しかし、そうすると重要な情報を判別して記憶するという機能も当然必要になる。
よって、日常生活等で何度も何度も使用する、何度も何度も確認するような情報は、脳が重要だと判別して記憶し、特に重要な情報は短期記憶から長期記憶へ保存される。
3 仮説の確認
僕のような門外漢が適当に考えた仮説ではあるけれど、個人的には情報の取捨選択仮説が気に入っている。恐らく、専門の学者や研究者がとっくの昔に調べて検証されているだろうと思い、試しにネットで検索してみたらいくつかおもしろい記事を見つけることができた。
一番読みやすくて分かりやすかった記事のリンクをここにメモ。
・脳は積極的に「記憶を失おうとしている」ことが判明(GIGAZINE)
こういう学問や研究分野もおもしろいよね。
これだけ科学や技術が高度に発達しても、人体の神秘はいまだ完全に解明されていないことがたくさんあるのだろう。
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