第152条【内閣】、第153条【内閣の決定、責任及び説明責任】、第154条【内閣官房長官】
第9章【行政部】
第3部【内閣】
第152条 内閣の構成は、以下のとおりである。(a)大統領
(b)副大統領
(c)司法長官
(d)14名以上22名以下の閣僚
2 大統領は閣僚を指名し、下院の同意を得た上でこれを任命する。
3 閣僚は、議会議員であってはならない。
4 閣僚として任命された者は、
(a)大統領の前で、国民及びケニア共和国への忠誠並びにこの憲法への服従を、別表3の定めるところにより、宣誓又は誓約して就任する。
(b)大統領に書面で辞表を提出することにより、辞任することができる。
5 大統領は、
(a)閣僚を再任命することができる。
(b)閣僚を解任することができる。
(c)第6項から第10項までの規定により、採択された決議により必要とされる場合、閣僚を解任しなければならない。
6 下院議員は、以下の場合、総議員の4分の1以上の賛成により、大統領に閣僚を解任することを求める動議を提出することができる。
(a)この憲法又はその他の法律の規定に著しく違反することを理由とする場合。
(b)閣僚が国内法又は国際法上の犯罪を犯したと、信じるに足りる重大な理由がある場合。
(c)重大な不正行為。
7 第6項の動議が下院議員の3分の2以上の賛成を得た場合、
(a)下院は、この問題を調査するために、下院議員11名で構成される特別委員会を任命するものとする。
(b)特別委員会は、10日以内に、閣僚に対する疑惑が実証されたと認定するか否か、下院に報告する。
8 閣僚は、特別委員会の調査期間中、特別委員会に出頭し代理人を立てる権利を有する。
9 特別委員会が、疑惑を、
(a)実証されないと報告した場合、手続きを進めることはできない。
(b)実証されたと報告した場合、下院は、
(i)閣僚に公聴の機会を与えなければならない。
(ii)閣僚を解任することを求める決議に同意するか否か、投票するものとする。
10 大統領に閣僚を解任することを求める第9項(b)(ii)の決議が、下院議員の過半数の賛成を得た場合、
(a)議長は、速やかにその決議を大統領に交付するものとする。
(b)大統領は、閣僚を解任しなければならない。
第153条 内閣の決定は、書面によるものとする。
2 閣僚は、その権限の行使及び職務の執行について、個人及び集団として大統領に説明責任を負う。
3 閣僚は、下院又は上院の委員会が要求する場合、これに出席し、閣僚が責任を負う事項に関するいかなる質問にも答弁しなければならない。
4 閣僚は、
(a)この憲法に従って行動しなければならない。
(b)その所管する事項に関して、議会に十分かつ定期的に報告しなければならない。
第154条 公務員の役職として、内閣官房長官を設置する。
2 内閣官房長官は、
(a)大統領が指名し、下院の同意を得た上でこれを任命する。
(b)大統領により解任されることがある。
3 内閣官房長官は、
(a)内閣官房を所管する。
(b)内閣の指示に従って、内閣の事務を整理し、議事録を作成する責任を負う。
(c)内閣の決定を適切な者又は機関に伝達する。
(d)内閣の指示により、その他の職務を執行する。
4 内閣官房長官は、大統領に書面で通知することにより、辞任することができる。
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