第23条【アパルトヘイト及びアファーマティブ・アクション】、第24条【非常事態における例外】、第25条【基本的権利及び自由の執行】
第3章【基本的人権及び自由】
第23条 ナミビア国民の大多数が長い間苦しんできた人種差別の慣行、並びにアパルトヘイトの慣行及びイデオロギーを禁止する。そのような慣行及びその普及は、議会法により、そのような慣行に対するナミビア国民の嫌悪を表明するために議会が必要とみなす刑罰によって、通常の裁判所により刑罰の対象とすることができる。
2 第10条に含まれるいかなる規定も、議会が、過去の差別的な法律若しくは慣行によって社会的、経済的若しくは教育的に不利な立場に置かれたナミビア国内の人々の地位向上、過去の差別的な法律若しくは慣行に起因するナミビア社会における社会的、経済的若しくは教育的な不均衡の是正を目的とする政策及びプログラムの実施、又は公務員、国防軍、警察部隊及び矯正施設の均衡のとれた構成を達成するために、直接的又は間接的に規定する法律を制定することを妨げるものではない。
3 本条第2項が予定する法律の制定並びに政策及び実務の適用において、ナミビアの女性が伝統的に特別な差別を受けてきた事実、並びに女性が国家の政治的、社会的、経済的及び文化的な生活において完全かつ平等で効果的な役割を果たすことを奨励し、及び可能にする必要がある事実を考慮することが認められるものとする。
第24条 ナミビアが国家防衛事態にある期間、又はこの憲法に基づく緊急事態宣言が効力を有する期間中に措置を講じることを認める範囲において、この憲法の第26条に含まれる規定又はその権限に基づき行われる行為は、この憲法に抵触又は違反するものとはみなされない。
2 本条第1項に規定する権限によって拘束される場合には、以下の規定が適用されるものとする。
(a)被拘束者は、合理的に可能な限り速やかに、いかなる場合にも拘束の開始後5日以内に、被拘束者が理解できる言語によって、拘束の理由を詳細に明記した陳述書を提出されなければならない。被拘束者の要求があれば、その陳述書を読み上げるものとする。
(b)拘束の開始後14日以内に、その者が拘束された旨及びその拘束が許可された法律の規定の詳細を記載した通知を官報に掲載しなければならない。
(c)非拘束者の事案は、拘束の開始後1か月以内に、その後は3か月を超えない期間毎に、本条第26条第5項(c)に規定する諮問委員会によって審査される。諮問委員会は、緊急事態の目的のためにその者の拘束を継続することが合理的に必要でないと認める場合には、拘束からの解放を命じるものとする。
(d)被拘束者は、公共の利益及びその者の利益を考慮して、その状況において必要又は有用である場合には、陳述の機会を与えられるものとする。
3 本条に含まれるいかなる規定も、第5条、第6条、第8条、第9条、第10条、第12条、第14条、第15条、第18条、第19条並びに第21条第1項(a)、(b)、(c)及び(e)に規定する基本的権利若しくは自由の適用除外若しくは停止、又は法律実務家若しくは裁判所の利用の拒否を認めるものではない。
第25条 この憲法によって権限を付与された場合を除いて、議会又は下位の立法機関は、法律を制定してはならず、行政府及び政府機関は、本章によって与えられた基本的権利及び自由を廃止又は制限する行為を行ってはならず、これに反するいかなる法律又は行為も、その違反の範囲内において無効とする。ただし、
(a)管轄裁判所は、そのような法律又は行為を無効と宣言する代わりに、適当な場合には、議会、下位の立法期間又は行政府及び政府機関に対し、その裁判所が指定する条件に従い、指定された期間内に、その法律又は行為の欠陥を是正することを認める権限及び裁量権を有する。その場合、是正されるまで、又は裁判所の定めた期間が満了するまで、その法律又は行為は有効であるとみなされる。
(b)独立の日の直前に効力を有していたいかなる法律も、改正、廃止又は違憲と宣言されるまで、引き続き効力を有するものとする。管轄裁判所がその法律を違憲と判断した場合、その法律を無効とするか、又は議会がその法律の欠陥を是正することを認めることができる。その場合、本項(a)の規定が適用されるものとする。
2 この憲法が保障する基本的権利若しくは自由が侵害され、又はその恐れがあると主張する者は、その権利又は自由を執行又は保護するために管轄裁判所に訴える権利を有し、及び必要な法的支援又は助言の提供をオンブズマンに求めることができる。オンブズマンはこれに対し、適当と認める法的又はその他の支援を提供する裁量権を有するものとする。
3 この憲法の規定に従い、第2条に規定する裁判所は、権利又は自由が違法に否定若しくは侵害されていると結論した場合、又は差止命令によって権利若しくは自由を保護する事由が存在すると結論した場合には、この憲法の規定に基づき申立人に与えられた権利及び自由の享受を保障するために、必要かつ適当な全ての命令を発する権限を有する。
4 裁判所の権限は、基本的権利及び自由の違法な否定又は侵害の結果、申立人が被った損害について、裁判所が特定の事案の状況において適当と認める場合に、金銭的補償を与える権限を含むものとする。