第95条【国民福祉の増進】、第96条【外交関係】、第97条【亡命】

第11章【国家政策の原則】

第95条　国家は、特に以下の事項を目的とする政策を採用することにより、国民の福祉を積極的に促進及び維持するものとする。

（a）女性がナミビア社会のあらゆる分野に完全に参加できるよう、女性の機会平等を保障する法律を制定する。特に、政府は、男女の報酬における不当差別禁止の原則の実施を保障しなければならない。さらに、政府は、適切な法律を通して、女性の出産手当及び関連手当を提供するよう努めなければならない。

（b）男女を問わず労働者の健康及び体力、並びに幼い年齢の子どもが酷使されないこと、並びに市民が経済的な必要からその年齢及び体力に不相応な職業に就くことを強制されないことを保障する法律を制定する。

（c）労働者の権利及び利益を保護し、健全な労使関係及び公正な雇用慣行を促進するために、独立した労働組合の結成を積極的に奨励する。

（d）国際労働機関に加盟し、可能な限り、ILOの国際条約及び勧告を遵守し、それに従って行動する

（e）全ての市民が、法律に従って公共施設及びサービスを公平かつ合理的に利用する権利を有することを保障する。

（f）高齢者が、適正な生活水準を維持し、並びに社会的及び文化的機会を享受するのに十分な年金を定期的に受け取る権利があることを保障する。

（g）失業者、障害者、困窮者及び不利な立場に置かれている人々に、国家の資源を十分に考慮した上で、議会が公正かつ妥当であると決定した社会的便益及び便宜が与えられるよう保障する法律を制定する。

（h）国家の資源を十分に考慮した上で、一定の事案について無料の法律扶助を提供することにより、機会均等に基づく正義を促進しようとする法制度。

（i）労働者が適正な生活水準を維持し、並びに社会的及び文化的機会を享受するのに十分な生活賃金を支払われることを保障する。

（j）ナミビア国民の許容可能な栄養水準及び生活水準を引き上げ、及び維持し、並びに公衆衛生を向上させるための一貫した計画。

（k）教育及びその他の活動を通して、並びにその組織を通して、政府の決定について議論することにより政府の政策に影響を与えるよう、多くの国民に奨励する。

（l）ナミビアの生態系、重要な生態学的過程及び生物多様性を維持し、現在及び将来の全てのナミビア人の利益のために、天然の生物資源を持続可能な方法で利用する。特に、政府は、ナミビア領域内における外国の核廃棄物及び有毒廃棄物の投棄又は再利用に対する措置を講じるものとする。

第96条　国家は、その国際関係において、以下の事項を保障するよう努めなければならない。

（a）非同盟政策を採用及び維持すること。

（b）国際協力、平和及び安全保障を推進すること。

（c）国家間の公正で互恵的な関係を構築及び維持すること。

（d）国際法及び条約の義務の尊重を促進すること。

（e）平和的手段による国際紛争の解決を奨励すること。

第97条　国家は、それが合理的である場合には、政治的信条、人種、宗教又は特定の社会集団の構成員であることを理由とする、迫害を合理的に恐れる者に亡命を認めるものとする。