第176条【選挙制度の目的】、第177条【選挙制度の構成】、第178条【全国選挙審議会の任務】、第179条【全国選挙審議会総会の構成】、第180条【議員の任命資格】、第181条【総会による紛争解決】
第4編【国家機構】
第13章【選挙制度】
第176条 選挙制度の目的は、投票が市民の真正かつ自由で自発的な表明を反映し、開票結果が直接投票によって表明された有権者の意思を正確かつ適時に反映することを保障することである。その基本的な役割は、選挙、国民投票及びその他の住民投票の計画、組織及び実施、個人を識別するための単一の登録簿の維持及び保管、並びに市民の身分を変更する行為の登録である。
第177条 選挙制度は、全国選挙審議会、全国選挙過程事務所及び全国身分登録事務所から構成される。これらの機関は自律的に活動し、それぞれの権限に従って相互に協調関係を維持する。
第178条 全国選挙審議会の任務は以下の通りである。:
(1)選挙権行使の適法性、選挙、国民投票及びその他の住民投票の実施、並びに選挙人名簿の作成を監督すること。
(2)政治団体登録簿を維持及び保管すること。
(3)政治団体に関する規則及び選挙に関するその他の規定の遵守を保障すること。
(4)選挙に関する裁判を運営すること。
(5)当選者並びに国民投票又はその他の住民投票の結果を宣言し、それぞれの証明書を発行すること。
(6)法律の定めるその他の任務。
選挙に関しては、全国選挙審議会が法律制定の発議権を有する。
全国選挙審議会は、選挙制度の各機関が提案する項目を個別に記載した、選挙制度の予算案を行政府に提出する。これを行政府及び議会において承認する。
第179条 全国選挙審議会の最高機関は、5人の議員によって構成される総会である。:
(1)最高裁判所の秘密投票により、退職裁判官又は現役裁判官の中から選出された者1名。現役裁判官の場合、選出された者には休職が認められる。最高裁判所の代表が全国選挙審議会を主宰する。
(2)最高検察審議会の秘密投票により、退職最高検察官又は現役最高検察官の中から選出された者1名。現役最高検察官の場合、選出された者には休職が認められる。
(3)リマ弁護士会の秘密投票により、その会員の中から選出された者1名。
(4)国公立大学法学部の学部長による秘密投票により、その学部長経験者の中から選出された者1名。
(5)私立大学法学部の学部長による秘密投票により、その学部長経験者の中から選出された者1名。
第180条 全国選挙審議会総会の議員は、40歳未満又は70歳以上であってはならない。4年の任期で選出される。再選することができる。法律により、2年毎に交代で更新する方式を定める。
有給の常勤職である。非常勤の教職を除いて、その他の公的職務を兼任できない。
選挙の候補者、政治団体の全国的な役員を務める市民、又は立候補直前の4年間にこれを務めていた市民は、全国選挙審議会総会の議員になることができない。
第181条 全国選挙審議会総会は良心の基準で事実を審査する。法律及びその一般原則に従って解決する。選挙、国民投票又はその他の住民投票について、その決定は最終的かつ確定的であり、再審の対象とならない。これに対して不服を申し立てることはできない。
・ペルー政治憲法(1993)【私訳】へ戻る。