円安・円高の是非を算数を使って考察してみる。
1 円安・円高の是非(経済学)
円安・円高、インフレ・デフレについてのちまたの議論が錯綜している。下記の動画を見れば分かると思うけれど、経済学的に円安は日本経済全体にとってプラスである。・1055回 ひろゆきも知らない近隣窮乏化を解説(髙橋洋一チャンネル)
2 円安・円高の是非(政治学)
現実の政治はそんな簡単な話ではない。そのことを中学校の社会レベルに単純化し、小学校の算数レベルで計算してみたい。
国民全体が、円安と円高のどちらを望むのかという話である。
(1)現役世代と高齢者の比率
高齢者(年金生活者)は、インフレや円安を嫌う(年金が実質的に目減りするので)。国の人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は約30%である。
・高齢者の人口(総務省統計局)
(2)輸出産業と輸入産業の比率
円安で利益を得るのは輸出産業である。輸出商品のほとんどは工業製品である。
・我が国の対外貿易投資動向(経済産業省)
国内の第2次産業就業者の比率は約30%である。
第2次産業の企業の全てが輸出業者ではないと思うけれど、とりあえずこの数字を使って計算してみる。
・産業(総務省統計局)
3 計算
国の総人口のうち現役世代の割合は$100 - 30 = 70$(%)
現役世代のうち第2次産業に従事している者の比率は30%である。
すなわち、輸出産業に従事している者の割合を30%以下である。
国民全体のうち輸出産業に従事している者の割合は
$\dfrac{70}{100} \times \dfrac{30}{100} = \dfrac{21}{100}$
($0.7 \times 0.3 = 0.21$)
よって、国民全体のうち円安で利益を得る者の割合は21%以下である。
逆に、国民全体のうち円安を好まない者の割合は
$100 - 21 = 79$(%)
つまり、8割以上の国民は円安を好まないのである。
4 国益
しかし、政治学も経済学もそんなに単純なものではない。輸出業者が利益を増やせば、その波及効果が輸出業者以外にも及ぶことになる。
経済学的、あるいは統計的に円安が国益に適うことは確かだろう、長期的には。
通貨安による短期的な不利益に惑わされることなく、国全体としての長期的な繁栄のために正しい政策を選択できるかどうか。
国家の政治制度、すなわち民主制の長所・短所が、その国の未来を左右することになる。
民主制であるか否かという単純な話でもない。
民主制の中にも、制度的にいろいろな違い、特色があるのだから。
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