第11条【人間の尊厳】、第12条【法の下の平等】、第13条【差別の禁止】、第14条【男女平等】、第15条【性暴力の根絶】、第16条【生命に対する権利、身体の自由】

第２編【人権、基本的自由並びに市民及び国家の義務】

第１章【市民的及び政治的な権利】

第11条　全ての人間は生まれながらにして自由であり、尊厳及び権利において平等である。ただし、政治的権利の享受は、法律の定める例外を除いて、コンゴ人にのみ認められる。

第12条　全てのコンゴ人は法の下に平等であり、法律による平等な保護を受ける権利を有する。

第13条　いかなるコンゴ人も、教育及び公職へのアクセス並びにその他の事項に関して、宗教、門地、社会的地位、居住地、政治的な意見若しくは信念、又は人種、民族、部族若しくは文化的若しくは言語的なマイノリティの一員であることを理由に、法律又は行政行為に起因するか否かにかかわりなく、差別的な措置を受けてはならない。

第14条　公権力は、女性に対するあらゆる形態の差別を撤廃し、その権利の保護及び促進を保障しなければならない。
あらゆる分野、特に市民的、政治的、経済的、社会的及び文化的な分野において、国家の開発への女性の全面的な発展及び完全な参加を保障するために、あらゆる適切な措置を講じるものとする。
公的及び私的な生活における、女性に対するあらゆる形態の暴力を撲滅するための措置を講じるものとする。
女性は、国、州及び地方の機関における平等な代表権を有する。
国は、当該機関における男女平等の実施を保障しなければならない。
法律により、それらの権利を適用する手続きについて定めるものとする。

第15条　公権力は、性暴力の根絶を保障しなければならない。
国際条約及び国際協定を損なうことなく、家庭を不安定化又は崩壊させ、国民全体を絶滅させる意図をもって、あらゆる人に対して行われる性暴力は、法律によって処罰される人道に対する罪である。

第16条　人間は神聖なものである。国はこれを尊重及び保護する義務を負う。
全ての人は、生命及び身体の完全性に対する権利を有し、法律、公の秩序、他者の権利及び善良の風俗を尊重しつつ、その人格を自由に発達させる権利を有する。
何人も、奴隷又はこれに類する状態に置かれてはならない。
何人も、残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱いを受けてはならない。
何人も、強制的又は義務的な労働に従事させられてはならない。

・コンゴ民主共和国憲法（2006）【私訳】へ戻る。