第56条【国家による一般的保障】、第57条【権利、自由及び保障の規制】、第58条【権利、自由及び保障の制限又は停止】、第59条【死刑の禁止】、第60条【拷問及び品位を傷つける取扱いの禁止】、第61条【凶悪かつ暴力的な犯罪】

第２編【基本的な権利及び義務】

第２章【基本的な権利、自由及び保障】

第２節【基本的な権利及び自由の保障】

第56条　国は、憲法に掲げる基本的な権利及び自由を侵すことのできないものとして承認し、憲法及び法律に従い、その実現及び保護を保障する政治的、経済的、社会的、文化的、平和的及び安定的な条件を整備するものとする。
２　全ての当局は、基本的な権利及び自由の自由な行使、並びに憲法上及び法律上の義務の履行を尊重及び保障する義務を負う。

第57条　法律により、憲法に明示的に規定される場合に限り、権利、自由及び保障を規制することができる。この規制は、自由で民主的な社会において、憲法上保護される他の権利又は利益を保護するために必要で、比例的かつ合理的なものに限られる。
２　権利、自由及び保障を規制する法律は、一般的かつ抽象的な性質でなければならず、遡及効を有し、又は憲法規範の本質的な内容の程度若しくは範囲を縮小するものであってはならない。

第58条　市民の権利、自由及び保障の行使は、憲法及び法律に従い、戦争事態、戒厳令又は緊急事態の場合に限り、制限又は停止することができる。
２　戦争事態、戒厳令及び緊急事態は、外国勢力による侵略が現実に行われ、若しくは差し迫っている場合、民主的な憲法秩序に対する重大な脅威若しくは撹乱が生じた場合又は災害が発生した場合に、国家の領域の全部又は一部において宣言することができる。
３　戦争事態、戒厳令又は緊急事態の選択並びにその宣言及び執行は、常に、公共の秩序の維持、一般の利益の保護及び比例原則の遵守のために必要かつ適当な行動に限定され、特にその範囲、期間及び使用される手段について、憲法の正常性を速やかに回復するために厳密に必要なものに限定されるものとする。
４　戦争事態、戒厳令又は緊急事態の宣言により、憲法の正常性を速やかに回復するために必要かつ適当な措置を講じる権限を当局に付与するものとする。
５　戦争事態、戒厳令又は緊急事態の宣言は、いかなる場合も、以下の事項に影響を及ぼすことはできない。：
（a）主権上の機関の権限及び運営に関する憲法上の規定の適用。
（b）主権上の機関の構成員の権利及び免責。
（c）生命、身体の完全性及び個人のアイデンティティに対する権利。
（d）市民としての資格及び市民権。
（e）刑法の不遡及。
（f）被疑者の弁護権。
（g）良心及び宗教の自由。
６　特別法により、戦争事態、戒厳令及び緊急事態について定めるものとする。

第59条　死刑は禁止される。

第60条　何人も、拷問、強制労働又は残虐な、非人道的な、若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けてはならない。

第61条　以下の犯罪は時効によって消滅することなく、恩赦及び訴訟上の強制措置の適用による仮釈放の対象とはならない。：
（a）ジェノサイド及び法律の定める人道に対する罪。
（b）法律の定める犯罪。

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