第7条【人及び人民の権利に関するアフリカ憲章によって宣言及び保障される権利及び義務】、第8条【人間は神聖にして不可侵である、国による保障】、第9条【人格の発展及び完全な発達に対する権利】、第10条【文化に対する権利】、第11条【国語によって自国の文化を発展させる自由】、第12条【子どもの教育の保障】、第13条【公立学校による公教育】、第14条【宗教機関及びコミュニティによる教育、私立学校】、第15条【生命、自由、安全及び身体の完全性に対する権利】、第16条【罪刑法定主義、亡命の強制の禁止】、第17条【無罪の推定、罪刑法定主義】、第18条【拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける虐待若しくは取扱いの禁止、被拘禁者及び被疑者の権利、拘禁の期間制限】、第19条【拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける虐待若しくは取扱いを行った者の処罰、人権及び公共の自由に対する重大かつ明白な侵害を構成する命令に従わない権利】、第20条【住居の不可侵、住居への立入り及び家宅捜索】、第21条【通信の秘密の保障】、第22条【財産権】、第23条【思想、良心、宗教、信仰、意見及び表現の自由に対する権利】、第24条【報道の自由】
第2編【人間の権利及び義務】
第7条 1981年にアフリカ統一機構によって採択され、1986年1月20日にベナンが批准した人及び人民の権利に関するアフリカ憲章によって宣言及び保障される権利及び義務は、この憲法及びベナンの法律の不可分の一部を構成する。第8条 人間は神聖にして不可侵である。
国は、これを尊重及び保護する絶対的義務を負う。その完全な発達を保障する。そのために、市民に対して、保健、教育、文化、情報、職業訓練及び雇用に平等にアクセスできるよう保障するものとする。
第9条 全ての人間は、他者の権利を侵害することなく、又は憲法秩序及び善良の風俗に反しないことを条件として、物質的、時間的、知的及び精神的な側面において、人格の発展及び完全な発達に対する権利を有する。
第10条 全ての人は、文化に対する権利を有する。国は、物質的及び精神的な文明の国家的価値観並びに文化的伝統を保護及び促進する義務を負う。
第11条 ベナン国民を構成するあらゆるコミュニティは、他国の言語を尊重して、自国の話し言葉及び書き言葉を使用し、自国の文化を発展させる自由を享受する。
国は、相互のコミュニケーションのために国語の発展を促進する。
第12条 国及び公共団体は、子どもの教育を保障し、そのために有利な条件を整備するものとする。
第13条 国は、公立学校を通して若者に教育を提供する。初等教育は義務教育である。国は、公教育の無償を漸進的に保障するものとする。
第14条 宗教機関及びコミュニティは同様に、若者の教育に参加することができる。私立学校は、世俗的であれ宗教的であれ、国の認可及び監督の下に開設することができる。私立学校は、法律の定める条件の下で、国の補助金を受け取ることができる。
第15条(新)
全ての個人は、生命、自由、安全及び身体の完全性に対する権利を有する。
何人も死刑を宣告されることはない。
第16条 何人も、告発される行為の前に公布された法律によるのでなければ、逮捕又は起訴されることはない。
いかなる市民も亡命を強制されることはない。
第17条 全ての被告人は、その自由な弁護のために必要なあらゆる保障が与えられる公開の裁判において、法律に従って有罪が立証されるまで、無罪と推定される。
何人も、実行時に国内法上の犯罪を構成しなかった行為又は不作為を理由として、有罪判決を受けることはない。また、実行時に適用されたものよりも重い刑罰を科してはならない。
第18条 何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける虐待若しくは取扱いを受けることはない。
何人も、被拘禁者又は被疑者が自己の選任する医師の診察を受けることを妨げる権利を有しない。
何人も、現行刑法が適用されない限り、刑事施設に拘禁されることはない。
何人も、引致されるべき裁判官の決定による場合を除いて、48時間を超えて拘禁されることはない。この期間は、法律の定める例外的な場合にのみ延長することができる。8日間を超えてはならない。
第19条 あらゆる個人又は国家公務員は、その職務の執行又はこれに関連して、自己の判断又は指示により、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける虐待若しくは取扱いを行った場合、法律に従って処罰される。
あらゆる個人又は国家公務員は、受けた命令が人権及び公共の自由の尊重に対する重大かつ明白な侵害を構成する場合、服従義務を免除される。
第20条 住居は不可侵である。住居への立入り又は家宅捜索は、法律の定める方式及び条件によってのみ行うことができる。
第21条 書簡及び通信の秘密は法律によって保障される。
第22条 全ての人は財産権を有する。何人も、公共の利益のために、公正かつ事前の補償を受ける場合を除いて、その財産を奪われることはない。
第23条 全ての人は、法律及び規則の定める公共の秩序を尊重し、思想、良心、宗教、信仰、意見及び表現の自由に対する権利を有する。
宗教の実践及び信仰の表明は、国家の世俗性を尊重しなければならない。
宗教的又は哲学的な機関及びコミュニティは、妨害されることなく発展する権利を有する。国家の監督に服するものではない。自治的な方法によってその業務を規制及び管理するものとする。
第24条 報道の自由は、国によって承認及び保障される。組織法の定める条件の下で、メディア最高機関によって保護される。
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