第8条【生命に対する権利、死刑の廃止】、第9条【身体の自由、無罪の推定、被害者の権利】、第10条【コンゴ市民の外国への引渡し及び送還の禁止、外国の裁判所又は国際裁判所で訴追されたコンゴ市民の支援】、第11条【逮捕の理由及び権利の告知、拷問及び残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱いの禁止】、第12条【戦争犯罪、人道に対する罪及びジェノサイドの罪の処罰】、第13条【民族憎悪、暴動、暴力又は内戦のプロパガンダ及び扇動の罪の処罰】、第14条【拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱いを行った者の処罰】、第15条【法の下の平等】、第16条【先住民族の権利の推進及び保護】、第17条【男女平等】、第18条【法律上人格を認められる権利】、第19条【市民権の保障、国籍を変更する権利、第二の国籍の取得】、第20条【住居の不可侵】、第21条【亡命の権利】、第22条【国内を移動する権利、出国及び帰国する権利】、第23条【財産権及び相続権の保障】、第24条【信仰及び良心の自由、政教分離、洗脳の禁止及び処罰】、第25条【自己の意見を表明及び普及する権利、情報通信の自由、検閲の禁止、情報源へのアクセスの自由及び保護】、第26条【通信の秘密】、第27条【結社、集会、行進及びデモの自由】、第28条【文化に対する権利及び各市民の文化的アイデンティティを尊重する権利】
第2編【市民の権利、自由及び義務】
第1章【権利及び自由】
第8条 人間は神聖であり、生命に対する権利を有する。国は、これを尊重及び保護する義務を負う。
各市民は、他者の権利、公共の秩序、道徳及び善良の風俗を尊重し、自己の人格を十分に発達させる権利を有する。
死刑は廃止する。
第9条 人間の自由は不可侵である。何人も、恣意的に告発、逮捕又は拘禁されることはない。
全ての被疑者は、弁護の権利を保障する公正かつ公平な裁判によって有罪を立証されるまで、無罪と推定される。
被害者の権利も保障される。
第10条 国籍の喪失又ははく奪の場合を除いて、コンゴ市民はいかなる理由であれ、外国の権力又は組織に引き渡され、又は送還されることはない。
国は、外国の裁判所又は国際裁判所において訴追されたコンゴ市民を支援する義務を負う。
第11条 被逮捕者は、その理解できる言語で、逮捕の理由及び権利について告知されるものとする。
拷問及び残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱いは禁止する。
個人の自由の守護者である司法府は、法律の定める条件の下で、この原則の遵守を保障する。
第12条 戦争犯罪、人道に対する罪及びジェノサイドの罪は、法律の定める条件に従って処罰するものとする。時効によって消滅しない。
第13条 民族憎悪、暴動、暴力又は内戦のプロパガンダ又は扇動は、法律によって処罰される犯罪を構成する。
第14条 個人、国家公務員、地方自治体の公務員又は公権力が、独自の判断又は指示により、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱いの罪を犯した場合、法律に従って処罰するものとする。
第15条 全てのコンゴ市民は、法の下に平等であり、国の保護を受ける権利を有する。
何人も、門地若しくは民族的出身、社会的身分又は政治、宗教、哲学若しくはその他の信条を理由として、有利又は不利な取扱いを受けることはない。
第16条 法律により、先住民族の権利の推進及び保護を保障するものとする。
第17条 女性は男性と同等の権利を有する。
法律により、平等を保障し、あらゆる政治、公選及び行政の職務における女性の促進及び代表性を保障するものとする。
第18条 全ての市民は、あらゆる場所において、法律上人格を認められる権利を有する。
第19条 コンゴ市民権は、法律によって保障される。全てのコンゴ人は、国籍を変更し、又は第二の国籍を取得する権利を有する。
第20条 住居は不可侵である。
捜索は、法律の定める方式及び条件によらなければ、命じることができない。
第21条 亡命の権利は、法律の定める条件の下で、在留外国人に付与される。
第22条 全ての市民は、国内を自由に移動する権利を有する。
自由に出国及び帰国する権利を有する。ただし、司法上又は行政上、この自由が制限されている場合を除く。
第23条 財産権及び相続権は保障される。
何人も、法律の定める条件の下で、公正かつ事前の補償を条件として、公共の利益のためにする場合を除いて、その財産を奪われることはない。
第24条 信仰及び良心の自由は保障される。
政治的目的のために宗教を利用することを禁止する。
宗教的、哲学的、政治的又は党派的な狂信主義によるいかなる種類の操作、教化又は服従も、法律によって禁止及び処罰するものとする。
第25条 全ての市民は、言論、文書、画像又はその他の通信手段により、自由に自己の意見を表明及び普及する権利を有する。情報通信の自由は保障される。法律を遵守して行使するものとする。
検閲は禁止する。
情報源へのアクセスは、法律の定める条件の下で自由であり、保護される。
第26条 郵便、電気通信又はその他の形態の通信の秘密は、法律の定める場合及び条件を除いて、侵害してはならない。
第27条 国は、法律の定める条件の下で、結社、集会、行進及びデモの自由を承認及び保障する。
第28条 文化に対する権利及び各市民の文化的アイデンティティを尊重する権利は、保障される。
この権利の行使により、公共の秩序、他者又は国民統合を侵害してはならない。
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