第107条【議会の構成:国民議会及び元老院、任務、政府の活動に対する情報及び監督手段】、第108条【旅費及び議員歳費】、第109条【議員任期の延長】、第110条【法律によって定める事項】、第111条【議員選挙の立候補】、第112条【議員の失職事由】、第113条【憲法裁判所による選挙裁判】、第114条【議員の投票、代理投票】、第115条【議員の任期】、第116条【補欠選挙の期間制限】、第117条【通常会期】、第118条【各会期の議題】、第119条【臨時会の召集】、第120条【各議院の事務局】、第121条【各議院の内部規則、議長による開会及び閉会】、第122条【会議の公開、議会報、秘密会】、第123条【議長に欠員が生じた場合】、第124条【法律の採決、租税の承認、国家予算の議決及びその執行の監督、財政法案の提出】、第125条【法律事項】、第126条【法律事項以外の性質】、第127条【議会における会議の開催】
第5編【立法権】
第1章【共通規定】
第107条 議会は2つの議院で構成される。:国民議会及び元老院である。議会は立法権を行使し、政府の活動を監督する。
政府の活動に対する議会の情報及び監督手段は、以下のとおりである。:
・質疑応答
・口頭による質問。
・書面による質問。
・時事質問
・委員会における聴聞。
・議会調査
・不信任の動議。
第108条 代議員及び元老議員の職務は、財政法によって割り当てられる基金の範囲内で、旅費の償還及び議員歳費の支給を受ける権利を有する。
第109条 代議員及び元老議員の任期は、選挙の正常な実施を妨げる重大な非常事態が発生した場合、共和国大統領の付託を受けた憲法裁判所によって延長することができる。
第110条 法律により、以下の事項を定めるものとする。:
・選挙区
・行政区ごとの議席数及びその配分。
・投票方法
・議員に欠員が生じた場合の新たな選挙の実施条件及び欠格事由の制度。
・代議員及び元老議員の地位。
第111条 議会又は元老院の議員選挙の候補者は、政党又は政治団体が擁立するものとする。
また、無所属で立候補することもできる。
第112条 代議員及び元老議員は、犯罪によって有罪判決を受けた場合、失職する。この場合、有罪判決は、最高裁判所検事総長から、議員が所属する議院の議長に通知される。
政党又は政治団体から擁立され、選出された代議員又は元老議員は、立法期間中に政党又は政治団体を離党した場合、代議員又は元老議員の議席を失うものとする。
選挙日に欠格事由があったことがその後に判明した場合及び法律の定める能力喪失の場合、代議員又は元老議員は失職する。
この3つの場合、補欠選挙を実施するものとする。
第113条 憲法裁判所は、紛争が生じた場合、立候補の可否並びに代議員及び元老議員の選挙の効力について裁判する。
第114条 代議員及び元老議員の投票は個別的なものである。代理人による投票は認められる。
憲法裁判所が憲法に適合すると宣言する国民議会及び元老院の内部規則により、代理投票の条件を定めるものとする。
第115条 代議員及び元老議員の任期は、選挙後の第2火曜日に開始する。議会の各議院は、当然開催する。この会議が通常会期として定められる期間外に開催される場合、15日間の臨時会を当然開催する。
代議員の任期は、新たな国民議会が開始する時に終了する。選挙は、代議員の任期満了前の20日以上50日以内に実施するものとする。
元老議員の任期は、新たな元老院が開始する時に終了する。選挙は、元老議員の任期満了前の20日以上50日以内に実施するものとする。
第116条 補欠選挙は、立法期間の最後の6か月間は実施することができない。
第117条 議会の各議院は、その議長が召集する年3回の通常会を当然開催する。:
・第1会期は10月15日に開会し、12月23日に閉会する。
・第2会期は2月1日に開会し、4月10日に閉会する。
・第3会期は6月2日に開会し、8月13日に閉会する。
10月15日、2月1日又は6月2日が休日の場合、会期はその後の最初の営業日に開会する。
第118条 各会期の議題は議長会議が定めるものとする。
第119条 議会の各議院は、共和国大統領又はその議員の過半数の要求により、議長が特定の議題について臨時会を召集する。議院が召集された議題が尽き次第、遅くとも会期の開始日から15日以内に閉会するものとする。
第120条 国民議会及び元老院はそれぞれ、以下の者によって構成される事務局が運営するものとする。:
・議長
・2人の副議長。
・2人の書記官。
・2人の財務官。
第121条 議会の各議院は、その運営方法並びに立法手続及び政府の活動を監督するための方法を定める内部規則を採択するものとする。
憲法裁判所が憲法に適合すると宣言した議会の各議院の内部規則は、組織法の効力を有する。
国民議会議長は、国民議会の通常会及び臨時会を開会及び閉会する。
元老院議長は、元老院の通常会及び臨時会を開会及び閉会する。
第122条 議会の各議院の会議は公開される。
審議の全ての報告書は、議会報として発行される。ただし、国民議会又は元老院は、共和国大統領、各議院の議長又はその議員の3分の1の要求により、会議を非公開とすることができる。
第123条 死亡、辞任又はその他の事由によって国民議会又は元老院の議長に欠員が生じた場合、その議院は、会期中であれば欠員の発生後15日以内に新しい議長を選出する。それ以外の場合、内部規則の定める条件の下で、当然開催される。
必要な場合、各議院の内部規則の規定に従い、他の議員によって補充するものとする。
第124条 議会は、単独で法律を採決するものとする。
租税を承認し、国家予算を議決し、その執行を監督する。財政法案は、10月の会期開始時に提出される。
第125条 法律事項は以下のとおりである。:
・市民権、市民的権利及び公共の自由の行使。
・国防及び公安のために、市民の財産及び身体に対して課される制約。
・国籍、人の身分及び能力、婚姻制度並びに相続及び贈与。
・犯罪、軽罪及び違反並びにこれらに適用される刑罰の決定。
・司法組織及び裁判所の手続き、裁判官の地位並びに裁判官最高会議の法制度。
・省庁及び自由専門職に関する組織及び運営規則。
・あらゆる種類の租税の課税標準、税率及び徴収手続、借入金並びに国の財政責任。
・通貨発行制度
・液体又は気体の炭化水素又はその他の鉱物資源の生産分配契約の承認。
また、法律により、以下の事項に関する規則を定めるものとする。:
・国の改革。
・公共施設の設置。
・国民投票制度
・選挙区
・恩赦
・公務員の一般的地位。
・領域的行政組織
・地方自治体の自由な管理、権限及び財源。
・地域計画
・労働法、労働組合の権利及び社会保障制度。
・企業の国有化及び民営化。
・経済社会開発計画
・環境、天然資源の保全及び持続可能な開発。
・財産、物権並びに民事及び商事の義務の制度。
・政党、団体及び非政府組織の制度。
・国際条約及び協定の批准の許可。
・国防及び安全保障の組織。
・国有財産及び土地の制度。
・天然資源の制度。
・共済、貯蓄及び与信。
・運輸に関する法律及び制度。
・通信及び情報に関する法律及び制度。
・刑務所に関する法律及び制度。
・財政法
・プログラム法。国の経済及び社会活動の目的、国の生産活動の組織並びに国防及び安全保障の大綱を定める法律である。
また、法律により、以下の事項に関する基本原則を定めるものとする。:
・教育
・健康
・社会活動
・科学技術及びイノベーション。
・工業
・商業
・電気通信
・電気
・水
・文化、芸術及びスポーツ。
・農業、畜産業、漁業及び水産業並びに林業。
第126条 法律事項以外は、規制的性質を有するものとする。
第127条 国民議会及び元老院は、共和国大統領が召集する場合、議会において会議を開催することができる。
議会において会議を開催する場合、国民議会事務局が審議を主宰するものとする。
内部規則により、議会において開催される会議の組織及び運営について定めるものとする。
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