第118条【伝統的権力者】、第119条【家族】、第120条【母親及び父親】、第121条【子ども】、第122条【女性】、第123条【若者】、第124条【高齢者】、第125条【障害者】
第4編【経済的、社会的、金融的及び財政的な組織】
第3章【社会組織】
第118条 国は、国民によって正統化され、慣習法に従った伝統的権力者を承認及び尊重する。2 国は、伝統的権力者と他の機関との関係を定め、法律に従い、国家の経済的、社会的及び文化的な生活へのその関与を制度化する。
第119条 家族は基本的な要素であり、あらゆる社会の基礎である。
2 国は、法律に従い、婚姻を家族の目的の追求を保障する制度として承認及び保護する。
3 人間の尊厳の尊重に基づく社会関係の発展の範囲内において、国は、婚姻が自由な合意に基づくものであるという原則を掲げるものとする。
4 法律により、伝統的及び宗教的な婚姻の評価方法並びにその登録の要件及び効力について定めるものとする。
第120条 母親及び父親の尊厳は尊重及び保護される。
2 家族は、子どもの調和ある成長に責任を負い、新しい世代に道徳的、倫理的及び社会的な価値観を教育するものとする。
3 家族及び国は、国民統合、愛国心、男性と女性の平等並びに社会の尊重及び連帯の価値観を習得させるために、子どもの教育を保障する。
4 父親及び母親は、婚内子及び婚外子を養育する義務を負う。
第121条 全ての子どもは、その総合的な発達のために、家族、社会及び国によって保護される権利を有する。
2 子ども、特に孤児、障害児及び遺棄された子どもは、家族、社会及び国により、あらゆる形態の差別、虐待並びに家族及びその他の機関による権限の濫用から保護されなければならない。
3 子どもは、特に出生を理由として差別されることなく、虐待を受けてはならない。
4 義務教育年齢であるかその他の年齢であるかにかかわりなく、子どもの労働は禁止する。
第122条 国は、国家の政治的、経済的、社会的及び文化的な活動のあらゆる分野において、女性の発展を促進、支援及び尊重し、社会におけるその役割の増大を奨励する。
2 国は、民族解放、主権保護及び民主主義のための闘争における女性の参加を承認及び尊重する。
第123条 モザンビーク国民の愛国的伝統を継承する尊厳ある若者は、民族解放及び民主主義のための闘争において決定的な役割を果たし、社会を刷新する力である。
2 国の政策は、特に若者の人格の調和ある発達、自由な創造への選好の促進、コミュニティへの奉仕の意識並びに社会生活に溶け込むための条件の整備を目的とする。
3 国は、国民統合並びに国家の復興、開発及び防衛における若者のイニシアティブを促進、支援及び奨励する。
4 国及び社会は、文化、芸術、レクリエーション、スポーツ及び教育の目的を追求する若者団体の創設を奨励及び支援する。
5 国は、両親及び保護者を代表する教育団体、民間機関並びに若者団体と協力して、若者の職業訓練、最初の職業への就職並びに自由な知的及び身体的な発達を促進及び醸成することができる、国の若者政策を採択するものとする。
第124条 高齢者は、家族、社会及び国から特別に保護される権利を有する。特に、住宅条件の整備、家庭生活及びコミュニティ生活並びに公共及び民間の施設における介護において、高齢者の疎外を防止するものとする。
2 国は、高齢者のコミュニティ生活への参加を通して自己実現の機会を創出することを目的として、経済的、社会的及び文化的な活動を含む高齢者政策を推進する。
第125条 障害者は、家族、社会及び国から特別に保護される権利を有する。
2 国は、手話の学習及び発達のための条件の整備を推進する。
3 国は、障害を有する市民の経済的及び社会的な取込みに必要な条件の整備を推進する。
4 国は、障害者団体及び民間団体と協力して、以下の事項を保障する政策を推進する。:
(a)障害者のリハビリテーション及び取込み。
(b)障害者の孤立及び社会的疎外を防ぐための条件の整備。
(c)公共及び民間のサービスにおける障害を有する市民の優先権。
(d)公共の場への容易なアクセス。
5 国は障害者団体の設立を奨励する。
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