第15条【構成及び任期、国民の代表、非常時における任期の延長】、第16条【通常会、議長及び事務局の選任、国家予算、臨時会】、第17条【審議の公開、議事規則の制定】、第18条【議題の設定、優先順位、政府の法案】、第19条【法案の可決、大統領から議会への還付】
第3編【立法権】
第1章【国民議会】
第15条 国民議会は、普通、直接かつ秘密選挙によって選出される180人の議員によって構成される。その任期は5年とする。国民議会に選出される代議員の人数は、法律によって変更することができる。
2 各代議員は国民全体を代表する。
3 不完全な委任は無効とする。
4(新) 重大な危機が生じた場合、又は状況に応じて、共和国大統領は、憲法評議会議長並びに国民議会及び元老院の事務局と協議した上で、国民議会に対して、その任期の延長又は短縮を法律によって決定するよう要求することができる。この場合、新たな国民議会の選挙は、延長又は短縮された任期の満了後40日以上120日以内に実施される。
第16条 各立法期間の冒頭で、国民議会は、法律の定める条件の下で、通常会期をもって当然開会する。
2 毎年、各会期30日を限度として、3回の通常会を開催する。
(a)最初の通常会の開会時に、国民議会はその議長及び事務局を選任する。
(b)1会期中に、国民議会は国家予算を議決する。当該会計年度末までに予算が議決されなかった場合、共和国大統領は、新たな予算が議決されるまで、12分の1ずつ前会計年度の予算を更新する権限を有する。
3 国民議会は、共和国大統領又は代議員の3分の1の要求により、特定の議題について、最長15日間の臨時会を開催するものとする。
臨時会は、議題が尽き次第、閉会する。
第17条 国民議会の会議は公開される。政府又はその議員の絶対多数決による要求がある場合、国民議会は、例外的に非公開で会議を開催することができる。
2 国民議会は、その内部規則を定める法律の方式により、その組織及び運営に関する規則を自ら定めるものとする。
第18条 国民議会の議題は議長会議が定める。
2 議長会議:議会会派の長、委員会の委員長及び国民議会事務局の事務局員によって構成される。1人の政府閣僚が議長会議の作業に参加する。
3 以下の第26条の規定によってその権限に属する条文のみ、国民議会の議題とすることができる。
(a)法案又は修正案の議決が、その他の支出の削減又は同等の重要性を有する新たな収入の創設を伴うことなく、財源の減少又は公的支出の増加をもたらす場合、認められない。
(b)条文の可否に疑義又は争いがある場合、共和国大統領、国民議会議長又は代議員の3分の1は、憲法評議会に付託する。同評議会がこれを決定するものとする。
4 議題には、優先的に、政府の定める順序で、政府が承認した法案に関する審議が含まれる。議長会議が選定したその他の法案は、その後に審議される。
2回の通常会期が終了した時に、ある法案を審議することができなかった場合、次の通常会期中に当然審議される。
5 緊急手続は、政府から要求がある場合、自動的に実施される。
第19条 国民議会は、代議員の単純多数決によって法律を可決する。
2 国民議会は、以下の第30条の規定に従い、再審議のために元老院によって提出された条文を可決又は否決する。
3 共和国大統領は、法律の公布の前にその第二読会を要求することができる。この場合、その法律は代議員の絶対多数決によって可決するものとする。
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