第175条【憲法に関する最高管轄機関、任務】、第176条【大統領選挙及び国民投票の正常な実施の保障】、第177条【議員選挙に関する紛争の裁判】、第178条【憲法裁判所への付託】、第179条【組織法及び各議院の内部規則の付託】、第180条【私人による付託】、第181条【違憲宣言の効力、判決の拘束力】、第182条【構成】、第183条【長官】、第184条【兼任禁止】、第185条【裁判官の欠格事由】、第186条【裁判官の任期】、第187条【法律の分野で経験を有する裁判官】、第188条【組織法】
第8編【憲法裁判所】
第175条 憲法裁判所は、憲法に関する国の最高管轄権を有する。法律並びに国際条約及び協定の合憲性を裁判する。
憲法裁判所は、諸機関の運営及び公権力の活動の規制機関である。
第176条 憲法裁判所は、共和国大統領選挙の正常な実施を保障する。
苦情を審査し、投票の最終結果を宣言する。
憲法裁判所は、国民投票の正常な実施を保障し、その最終結果を宣言する。
第177条 憲法裁判所は、議会及び元老院の議員選挙に関する紛争を裁判する。この権限において、立候補に関する紛争及びこれらの選挙結果に関する上訴を審理する。
この憲法に規定する以外の選挙に関する紛争は、通常の裁判所が管轄する。
第178条 共和国大統領、国民議会議長、元老院議長、首相又は各議院の議員の3分の1は、憲法裁判所に付託することができる。
第179条 組織法の公布又は各議院の内部規則の施行前に、その適合性についての意見を求めるために、憲法裁判所に付託するものとする。
この場合、憲法裁判所は1か月以内に判決を下すものとする。
ただし、緊急の場合、付託者の明示的な要求により、この期間は10日に短縮される。
憲法裁判所への付託により、法律の公布期間又は内部規則の施行期間は停止される。
第180条 私人は、直接又は自己の関係する事件について裁判所に提起された違憲の訴えの手続きを通して、法律及び条約の合憲性を憲法裁判所に付託することができる。
違憲の訴えがあった場合、付託された裁判所は、訴訟を停止し、憲法裁判所に付託する決定の通知から1か月の期間を申立人に付与すものとする。
第181条 違憲と宣言された規定は、公布又は適用することができない。
憲法裁判所の判決に対して上訴することはできない。公権力、全ての行政及び司法当局並びに私人を拘束する。
第182条 憲法裁判所は、以下の方法で任命される9人の裁判官によって構成される。:
・3人は共和国大統領が任命する。
・2人は元老院議長が任命する。
・2人は国民議会議長が任命する。
・2人は最高裁判所がその管轄裁判官の中から任命する。
第183条 憲法裁判所長官は、その裁判官の中から共和国大統領が任命する。可否同数の場合、決定票を有するものとする。
第184条 憲法裁判所裁判官の職務は、政府閣僚、議会議員又は最高裁判所裁判官の職務と両立しない。
第185条 汚職の罪、国家反逆罪、宣誓違反又はその他の犯罪で有罪判決を受けた者は、憲法裁判所の裁判官となることができない。
その他の兼職禁止は、法律によって定めるものとする。
第186条 憲法裁判所裁判官の任期は4年とし、2度更新することができる。
法律により、憲法裁判所裁判官の任期更新の方法について定めるものとする。
第187条 憲法裁判所は、法律の分野で経験を有する6人以上の裁判官のよって構成される。
第188条 組織法により、憲法裁判所の組織及び運営並びにその手続きについて定めるものとする。
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