第202条【職務】、第203条【権限】、第204条【首相の権限】、第205条【共和国議会との関係】、第206条【閣僚評議会の責任及び権限】、第207条【政府閣僚の政治責任】、第208条【政府の連帯責任】、第209条【行為の方式】、第210条【免責】
第8編【政府】
第2章【権限及び責任】
第202条 閣僚評議会は、国の行政を保障し、領域保全を保障し、公共の秩序並びに市民の安全及び安定を保障し、経済の発展を促進し、国の社会活動を実施し、適法性を発展及び強化し、国の外交政策を実施する。2 公共の秩序の保護は、政府の管理下で運営される適正な機関によって保障される。
第203条 閣僚評議会は、特に以下の権限を有する。:
(a)市民の権利及び自由の享受を保障すること。
(b)公共の秩序及び社会の規律を保障すること。
(c)共和国議会に提出する法案を作成すること。
(d)共和国議会の立法許可による政令を承認すること。
(e)経済及び社会計画並びに国家予算を作成し、共和国議会の承認を経て執行すること。
(f)経済活動及び社会部門を振興及び規制すること。
(g)国際条約の締結を準備し、政府の権限の範囲内の事項に関して、国際協定を締結、批准、加盟及び破棄すること。
(h)労働及び社会保障政策を指揮すること。
(i)国家部門、特に教育及び保健を指揮すること。
(j)住宅政策の指揮及び推進。
2 閣僚評議会は以下の権限を有する。:
(a)国家の公的領域及び国有資産の防衛及び強化を保障すること。
(b)省庁及び閣僚評議会に従属するその他の機関の活動を指揮及び調整すること。
(c)国の代表機関を指導及び指揮し、その任務、組織、構成、運営及び権限を定めること。
(d)憲法及び法律に基づき、州、郡及び地方自治体の政府機関を監督すること。
(e)企業活動及び民間のイニシアティブの発揮を奨励及び支援し、消費者及び一般の公衆の利益を保護すること。
(f)協同組合を振興し、これを発展させ、家族生産を支援すること。
3 政府は、その組織、構成及び運営に関する事項について、専属的な法律の発議権を有する。
第204条 共和国大統領及び法律によって委任されるその他の権限を損なうことなく、首相は、政府の指揮において共和国大統領を補佐し、これに助言する権限を有する。
2 首相は、特に以下の権限を有する。:
(a)政府プログラムの作成において共和国大統領を補佐すること。
(b)省庁及びこれと同等の委員会の設置並びに政府閣僚及びその他の政府幹部の任命について、共和国大統領に助言すること。
(c)政府の作業計画を作成し、共和国大統領に提案すること。
(d)政府閣僚による国家機関の決定の執行を保障すること。
(e)閣僚評議会を主宰し、立案された政策及びその他の決定の実施を処理すること。
(f)省庁及びその他の政府機関の活動を調整及び統制すること。
(g)閣僚評議会の技術的・管理的運営を監督すること。
第205条 共和国議会との関係において、首相は以下の権限を有する。:
(a)政府プログラム、経済及び社会計画案及び国家予算案を共和国議会に提出すること。
(b)政府の実施報告書を提出すること。
(c)政府の立場を共和国議会に説明すること。
2 首相は、これらの職務を執行する際に、その指名する閣僚評議会の閣僚によって補佐される。
第206条 閣僚評議会は、共和国大統領及び共和国議会に対して、内政及び外交政策の実施について責任を負い、法律に従い、その活動について報告しなければならない。
第207条 閣僚評議会の閣僚は、共和国大統領及び首相に対して、その権限の範囲内における閣僚評議会の決定の実施について責任を負う。
第208条 政府の閣僚は、政府プログラム及び閣僚評議会の決議に拘束される。
第209条 閣僚評議会の規範行為は、政令及び命令の方式による。
2 前項に規定する政令及び命令には、これを承認する法律を明示しなければならない。
3 政令は共和国大統領が署名し、その発行を命じ、その他の命令は首相が署名し、その発行を命じる。
4 政府のその他の行為は決議の方式による。
第210条 政府の閣僚は、現行犯及び重い拘禁刑に相当する故意の犯罪の場合を除いて、共和国大統領の許可なく逮捕又は拘禁されることはない。
2 政府の閣僚に対して刑事訴訟が提起され、確定的に起訴された場合、共和国大統領は、訴訟手続を継続させるために政府閣僚を停職させるか否かを決定する。前項に規定する種類の犯罪の場合、停職の決定を行わなければならない。
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