第25条【労働権、労働組合及び職能団体、男女差別の禁止、スト権、労働条件、労働者に与える支援及び保護】、第25-1条【天然資源の帰属、利用、開発及び管理、土地資源の保全】、第25-2条【健全な環境に対する権利、環境を保護、保全及び改善する公権力の責任】、第25-3条【市民の義務】
第2編【基本的な権利及び自由並びに市民の義務】
【労働】
第25条 各人は労働の権利及び雇用される権利を有する。何人も、その出身、性別、意見、政治的選択又は信条を理由として、その労働について不利益を受けることはない。労働者は、労働組合に加入し、労働組合の活動を通してその権利を保護することができる。雇用、賃金及び課税に関する男女差別は禁止する。
労働組合又は職能団体を設立する自由は、全ての労働者に認められる。
ストライキの権利は認められる。これを規制する法律の範囲内で行使しなければならない。いかなる場合も、労働の自由を侵害し、又は企業を危険にさらすことはできない。
全ての労働者は、その代表者を通して、企業における労働条件の決定に参加する。国は、職場における健康に関する人間的条件を保障するものとする。
特別法により、国及び企業が労働者に与える支援及び保護の条件について定めるものとする。
第25-1条 天然資源は国民に帰属する。その生活条件を改善するために利用しなければならない。
天然資源は、透明性をもって、経済成長をもたらし、国民全般の福祉を増進し、生態学的に持続可能な方法で開発及び管理しなければならない。
国及び領域的団体は、土地資源の保全を保障する義務を負う。
第25-2条 各人は健全な環境に対する権利を有する。
環境の保護、保全及び改善は、公権力の責任である。
公権力は、必要不可欠な生態学的プロセスを保全及び回復する義務、種及び生態系の責任ある管理を行う義務、遺伝資源の多様性及び完全性を保全する義務、計画、プロジェクト又はプログラムに対して環境アセスメントを要求する義務、環境教育を促進する義務並びに社会的及び環境的に重大な影響を及ぼすプロジェクト及びプログラムの策定及び実施において住民の保護を保障する義務を負う。
第25-3条 全ての市民は、憲法、法律及び規則を誠実に遵守し、特に市民としての義務を遂行し、他者の権利を尊重しなければならない。納税義務を果たし、国の経済的及び社会的な発展に参加しなければならない。
全ての市民は、あらゆる侵略から祖国を防衛し、腐敗及び横領の撲滅に貢献する義務を負う。
全ての市民は、公共の利益を尊重及び保障し、公共の秩序、安全、健康及び平穏を損なう恐れのある行為を慎む義務を負う。
全ての市民は、国家の天然資源及び環境を保全し、現在及び将来の世代の利益のために持続可能な開発に取り組む義務を有する。
全ての市民は、法律の定める条件の下で、自己及び家族に関する情報を市民登録簿に登録する義務を負う。
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