第31条【議会で可決した法律の大統領による公布】、第32条【議会に対する大統領の演説又はメッセージ】、第33条【首相及び政府閣僚の議会出席権】、第34条【予算関連法案、首相の国民議会に対する責任、信任決議又は不信任決議、内閣総辞職、首相の再任及び組閣】、第35条【議会から政府への質問権、政府の答弁及び情報提供義務】、第36条【大統領による国民投票への付託】
第4編【行政権と立法権の関係】
第31条 共和国大統領は、議会が可決した法律を、その提出後15日以内に公布する。第二読会を要求しない場合又は憲法評議会に付託する場合である。2 この期間が経過するまで履行されない場合、国民議会議長は、共和国大統領に代わって行うことができる。
3 法律は、フランス語及び英語で共和国官報として発行される。
第32条 共和国大統領は、その要求により、国民議会、元老院又は両議院の合同会議において演説をすることができる。また、メッセージを発信することができる。
これらのやり取りにおいて、その出席の下でのいかなる審議も行われない。
第33条 首相及びその他の政府閣僚は議会に出席し、審議に参加することができる。
第34条 予算関連法案が審議される会期中、首相は、政府の経済、財政、社会及び文化に関するプログラムを国民議会に提出する。
2 首相は、閣僚評議会の審議を経て、国民議会に対して、プログラム又は必要に応じて一般政策の宣言に対する政府の責任を問うことができる。
採決は、信任に関する質問から48時間以内に行わなければならない。
信任は、国民議会の議員の絶対多数決によって否決することができる。
信任に関する質問に対する反対票のみが集計される。
3 国民議会は、不信任動議を可決することにより、政府の責任を追及することができる。不信任動議が認められるために、国民議会の議員の3分の1以上が署名しなければならない。採決は、不信任動議が提出されてから48時間以内に行わなければならない。不信任動議は、国民議会の議員の3分の2以上の賛成で可決される。
不信任動議の賛成票のみが集計される。
不信任動議が否決された場合、署名者は、以下の第4項に規定する場合を除いて、1年間新たな不信任動議を提出することができない。
4 首相は、閣僚評議会の審議を経て、国民議会に対して、ある条文の採決に対する政府の責任を問うことができる。この場合、その条文は、その後24時間以内に提出される不信任動議が前項の条件に従って可決されない限り、採択されたものとみなされる。
5 国民議会が不信任動議を可決した場合、又は政府の信任を否決した場合、首相は共和国大統領に政府の辞表を提出しなければならない。
6 共和国大統領は首相を再任し、新たな政府の形成を要求することができる。
第35条 議会は、口頭又は書面による質問及び特定の事項に関する調査委員会の設置により、政府の行動を監督する。
2 政府は、国防、国家安全保障又は裁判上の情報の秘密の要請がある場合、議会に情報を提供するものとする。
3 各通常会期中、毎週1回、議会議員の質問及び政府の答弁のために優先的に会議を確保する。
第36条 共和国大統領は、憲法評議会議長、国民議会議長及び元老院議長と協議した上で、法律の範囲内ではあるが、国家及びその機関の将来に重大な影響を及ぼす可能性のあるあらゆる改正案を国民投票に付すことができる。
特に以下のものに適用される。:
(1)公権力の組織又は憲法の改正に関する法案。
(2)その影響から、特に重要な国際協定又は条約の批准に関する法案。
(3)人の身分及び財産制度に関する特定の改正案など。
2 法案は投票の過半数によって可決される。
3 法律により、国民投票の手続きについて定めるものとする。
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