第35条【普遍性及び平等の原則】、第36条【ジェンダー平等の原則】、第37条【障害者】、第38条【憲法尊重義務】、第39条【国民統合に反する行為】、第40条【生命に対する権利】、第41条【その他の人格権】、第42条【基本的権利の範囲及び意味】、第43条【基本的権利の解釈】、第44条【同胞に対する義務】、第45条【コミュニティに対する義務】、第46条【国家に対する義務】、第47条【子どもの権利】
第3編【基本的な権利、義務及び自由】
第1章【一般原則】
第35条 全ての市民は、皮膚の色、人種、性別、民族的出身、出生地、宗教、学歴、社会的地位、両親の婚姻関係、職業又は政治的選択にかかわりなく、法の下に平等であり、同一の権利を享受し、同一の義務を負う。第36条 男性及び女性は、政治的、経済的、社会的及び文化的な生活のあらゆる分野において、法の下に平等である。
第37条 障害者は、その障害のために行うことができない権利の行使又は実現を除いて、憲法に定める権利を完全に享受し、同一の義務を負う。
第38条 全ての市民は憲法秩序を尊重する義務を負う。
2 憲法の規定に反する行為は、法律に従って処罰の対象となる。
第39条 国民統合を棄損し、社会的調和を損ない、分断主義を生み出し、人種、性別、民族的出身、出生地、宗教、学歴、社会的地位、身体的又は精神的な状態、両親の婚姻関係、職業又は政治的選択に基づく特権又は差別を目的とするあらゆる行為は、法律に従って処罰の対象となる。
第40条 全ての市民は、生命に対する権利並びに身体的及び精神的な完全性に対する権利を有し、拷問又は残虐な、若しくは非人道的な取扱いを受けてはならない。
2 モザンビーク共和国においては、死刑は存在しない。
第41条 全ての市民は、名誉、名声、評判、公的イメージの保護及び私生活のプライバシーに対する権利を有する。
第42条 憲法に掲げる基本的権利は、法律に含まれるその他の権利を排除するものではない。
第43条 基本的権利に関する憲法の規定は、世界人権宣言並びに人及び人民の権利に関するアフリカ憲章と調和するように解釈及び統合されるものとする。
第44条 全ての市民は、いかなる種類の差別も受けることなく、同胞を尊重し、これに配慮する義務を負い、尊重、相互寛容及び連帯を促進、保護及び強化する関係を維持する義務を負う。
第45条 全ての市民は、以下の義務を負う。:
(a)自己の身体的及び知的な能力をもって、国のコミュニティに奉仕すること。
(b)自己の可能性及び能力に応じて働くこと。
(c)租税及び負担金の納付。
(d)コミュニティとの関係において、文化的価値観の保持、寛容の精神及び対話を保障し、一般的に、市民の振興及び教育に貢献すること。
(e)公衆衛生の保護及び促進。
(f)環境の保護及び保全。
(g)公共及びコミュニティの利益の保護及び保全。
第46条 全ての市民は、国防に寄与する義務を負う。
2 全ての市民は、法律の定める義務を履行し、その基本的権利を尊重し、憲法に従って発行される正当な当局の命令に従う義務を負う。
第47条 子どもは、その幸福のために必要な保護及び養育を受ける権利を有する。
2 子どもは、年齢及び成熟度に応じて、自己に関係する事項について自由に意見を表明することができる。
3 子どもに関するあらゆる行為は、公共団体が行うか民間機関が行うかにかかわりなく、第一に子どもの最善の利益を考慮しなければならない。
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