第35条【異議申立て、憲法評議会の決定】、第36条【大統領の就任、就任前の死亡、確定的な障害又は辞退の場合】、第37条【大統領の宣誓、資産申告書の提出】、第38条【兼任及び兼職の禁止】、第39条【大統領又は副大統領の辞任、障害又は死亡の場合の国民議会議長又は副議長による代行】、第40条【代行期間中は適用されない条項】、第41条【大統領の辞任、障害又は死亡の認定】、第42条【大統領の任務】、第43条【大統領の署名、首相の副署】、第44条【公務員の任命】、第45条【国防の責任、軍の最高司令官】、第46条【大使及び特使の任命、信任状の受領】、第47条【恩赦権】、第48条【国民への演説】、第49条【首相及び大臣の任命及び罷免】、第50条【首相及びその他の政府閣僚への委任】、第51条【憲法制定法案及び法案の国民投票】、第52条【大統領の非常権限の行使】
第3編【大統領】
第35条 裁判所は、組織法の定める条件の下で、投票の正当性を保障する。選挙運営の正当性は、組織法によって設置される人口調査及び投票に関する全国委員会による暫定的な結果公示から72時間以内に、候補者の1人が憲法評議会に異議を申し立てることができる。
この期間内に憲法評議会の登録所に異議申立てが提起されなかった場合、憲法評議会は直ちに投票の最終結果を公示する。
異議申立てが提起された場合、評議会はその5日以内に決定を下す。その決定の結果、投票の確定的な公示又は選挙の無効が確定するものとする。
選挙が無効となった場合、その21日以内に新たな投票が行われる。
第36条 選出された共和国大統領は、選挙の確定的な公示及び前任者の任期満了後に就任する。
就任した共和国大統領は、後任者が就任するまで在任する。
選出された共和国大統領がその就任前に死亡し、これに確定的な障害が生じ、又は当選の権利を放棄した場合、第31条に定める条件に従って新たな選挙を実施するものとする。
第37条 共和国大統領は、憲法評議会の公開の会議において宣誓した後に就任する。
宣誓は以下の文言によって行われる。:
「神の前、そしてセネガル国民の前において、私はセネガル共和国大統領の任務を忠実に遂行し、憲法及び法律の規定を誠実に遵守し、その遵守を保障し、憲法上の機関、領域保全及び国家の独立を防衛するために全力を尽くし、そして最後にアフリカの統合の実現のために努力を惜しまないことを誓います。」
新たに選出された共和国大統領は、資産申告書を憲法評議会に提出する。同評議会はこれを公表するものとする。
第38条 共和国大統領職は、あらゆる公選の議員職、国民議会又は地方議会の議員職及びその他の有給の公務又は民間の職務の執行と両立しない。
ただし、政党の職務を執行し、又は学識者の学会の会員になることはできる。
第39条 共和国大統領の辞任、障害又は死亡の場合、国民議会議長がその職務を代行する。
副大統領が上記のいずれかに該当する場合、国民議会副議長の1人が優先順位に従ってその職務を代行する。
第40条 代行の期間中、第49条、第51条、第86条、第87条及び第103条の規定は適用されない。
第41条 共和国大統領の辞任、障害又は死亡は、辞任の場合は共和国大統領が付託する憲法評議会が、障害又は死亡の場合はその代行当局が認定する。
国民議会議長又はその代行者の辞任、障害又は死亡の場合も同様とする。
第42条 共和国大統領は憲法の守護者である。セネガルの芸術及び文学の第一の保護者である。
国民統合を体現する。
諸機関の正常な運営、国家の独立及び領域保全を保障する。
国の政策を決定する。
閣僚評議会を主宰する。
第43条 共和国大統領は、命令及び政令に署名する。
第26条第2項から第5項まで、第45条、第46条、第47条、第48条、第49条第1項、第52条、第74条、第76条第2項、第78条、第79条、第83条、第87条、第89条及び第90条によるものを除く共和国大統領の行為には、首相が副署する。
第44条 共和国大統領は公務員を任命する。
第45条 共和国大統領は国防の責任を負う。最高国防会議及び国家安全保障会議を主宰する。
軍の最高司令官であり、軍の全てのポストを任命し、軍を指揮する。
第46条 共和国大統領は、外国における大使及び特使を任命する。
外国の大使及び特使の信任状を受領する。
第47条 共和国大統領は、恩赦を与える権利を有する。
第48条 共和国大統領は、国民に対して演説を行うことができる。
第49条 共和国大統領は、首相を任命及び罷免する。
共和国大統領は、首相の提案により、大臣を任命し、その権限を決定し、罷免するものとする。
第50条 共和国大統領は、第42条、第46条、第47条、第49条、第51条、第52条、第72条、第73条、第87条、第89条及び第90条に規定する権限を除いて、政令により、特定の権限を首相又はその他の政府閣僚に委任することができる。
また、首相に対して、政令によって決定を下す権限を付与することができる。
第51条 共和国大統領は、国民議会議長及び憲法評議会と協議した上で、憲法制定法案を国民投票に付すことができる。
首相の提案に基づき、上記の当局と協議した上で、あらゆる法案を国民投票に付すことができる。
裁判所は、国民投票が正常に実施されるよう保障する。憲法評議会はその結果を公示するものとする。
第52条 共和国の機関、国家の独立、領域保全又は国際的な約束の履行が重大かつ緊急の事態によって脅かされ、公権力又は機関の正常な運営が中断された場合、共和国大統領は非常権限を行使することができる。
大統領は、メッセージによって国民に通知した後に、公権力及び機関の正常な運営を回復し、国民の保護を保障するための措置を講じることができる。
非常権限により、憲法改正手続を進めることはできない。
国民議会は当然開催される。
大統領によって発行された立法措置は、その公布後15日以内に、承認のためにこれに付託する。承認法案が投票に付された場合、修正又は否決することができる。その措置は、承認法案が前述の期間内に国民議会の事務局に提出されなければ失効する。
国民議会は、非常権限の行使中は解散することができない。国民議会の解散後に非常権限が行使された場合、憲法評議会が認定する不可抗力の場合を除いて、解散令によって所定の投票日を延期することはできない。
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