第67条【法律事項、基本原則、財政法、プログラム法、組織法】、第68条【財政法案の議決】、第69条【戒厳令及び緊急事態】、第70条【宣戦布告、戦争中又は外国の部隊による侵略若しくは攻撃の場合における市民の権利及び義務】、第71条【国民議会で可決した法律の大統領への送付】、第72条【公布期間】、第73条【大統領による再審議の要求】、第74条【憲法評議会に対する法律の違憲宣言の申立て】、第75条【公布期間の停止、期間経過後の自動公布】、第76条【立法権の範囲外の事項】、第77条【授権法、承認法案】、第78条【組織法の可決及び改正】
第7編【行政権と立法権の関係】
第67条 法律は国民議会で可決される。法律により、以下の事項を規定するものとする。:
・公共の自由の行使のために市民に与えられる市民権及び基本的保障並びに国防のために市民の身体及び財産に課される制約。
・野党の地位。
・国籍、人の身分及び能力、婚姻制度、相続及び贈与。
・犯罪及びこれに適用される刑罰の決定、刑事訴訟、恩赦、裁判所の新しい序列の創設及び裁判官の地位。
・あらゆる種類の租税の課税標準、税率及び徴収方法並びに通貨発行制度。
・国民議会及び地方議会の選挙制度。
・国の文官及び武官の公務員に与えられる基本的保障。
・企業の国有化及び企業の所有権の公共部門から民間部門への譲渡。
法律により、以下の基本原則を定めるものとする。:
・国防の組織全般。
・地方自治体の自由な運営、権限及び財源。
・教育
・財産制度、物権、民事上及び商事上の義務、労働法、労働組合の権利並びに社会保障制度。
・国家公務員の給与制度。
財政法により、組織法の定める条件及び留保の下で、国の財源及び支出を決定する。公共部門の雇用は、財政法によらなければ創出及び転換することができない。
プログラム法により、国の経済的及び社会的な活動の目的を決定する。計画は法律によって承認されるものとする。
本条の規定は、組織法によって特定及び補完することができる。
第68条 国民議会は、組織法の定める条件の下で、財政法案を議決する。
特に予算を含むその年度の財政法案は、遅くとも単一の通常会期の開会日までに国民議会の事務局に提出するものとする。
国民議会は、財政法案の議決に最長60日間を有する。
不可抗力により、共和国大統領がその年度の財政法案を、所定の会期の終了までに国民議会が前項に規定する期間を確保できるように提出できなかった場合、会期は財政法案が可決されるまで、直ちに自動的に延長される。
上記の60日の期間が経過するまでに財政法案が最終的に議決されなかった場合、国民議会が議決し、共和国大統領が受領した修正案を考慮して、政令によって発効させる。
上記の手続きの結果、会計年度開始前にその年度の財政法を発効させることができなかった場合、共和国大統領は、政令によって議決されたサービスを更新する権限を有する。
会計検査院は、共和国大統領、政府及び国民議会を支援し、財政法の実施を監督する。
第69条 戒厳令は、緊急事態と同様に、共和国大統領が宣言する。国民議会が会期外の場合、当然開催する。
戒厳令又は緊急事態を宣言する政令は、共和国大統領から付託され国民議会がその延長を許可しない限り、12日後に失効する。
戒厳令又は緊急事態を適用するための手続きは、法律によって定めるものとする。
第70条 宣戦布告は、国民議会によって許可される。
戦争中又は外国の部隊によって国家の領域が侵略若しくは攻撃されている場合における市民の権利及び義務は、組織法の対象となる。
第71条 法律は、国民議会が投票総数の絶対多数決によって可決した後に、公布のために遅滞なく共和国大統領に送付される。
第72条 共和国大統領は、最終的に可決された法律を、第74条に規定する申立ての期間の経過後8日以内に公布する。
国民議会が緊急であると宣言した場合、公布期間は半分に短縮される。
第73条 共和国大統領は、公布期間内に、理由を付したメッセージにより、国民議会に再審議を要求することができる。これを拒否することはできない。法律は、国民議会の議員の5分の3以上の賛成によって決定した場合に限り、第二読会で採決することができる。
第74条 憲法評議会に対して、法律の違憲宣言を求めて申し立てることができる。:
・共和国大統領が、最終的に可決された法律が送付されてから6日以内に。
・国民議会の議員の10分の1以上に相当する人数の代議員が、最終的に可決されてから6日以内に。
第75条 公布期間は、国民議会の再審議が終了するまで、又は憲法評議会がその法律の憲法適合性の宣言を決定するまで停止される。
いかなる場合も、憲法上の期間が経過した場合、公布は自動的に行われる。国民議会議長がこれを行うことができる。
第76条 この憲法によって立法権の範囲外の事項は、規制的性質を有する。
その事項に関する立法行為の条文は、共和国大統領又は首相の要求により、憲法評議会が前項の規定によって規制的性質を有すると宣言した場合、政令で修正することができる。
第77条 国民議会は、法律により、共和国大統領に対して、通常法律の範囲内にある措置を講じる権限を付与することができる。
共和国大統領は、授権法の定める期間及び権限の範囲内で命令を発行する。命令は発行と同時に発効する。ただし、授権法の定める期日までに承認法案を国民議会に提出しない場合、失効する。国民議会は、承認法案を議決する際に修正することができる。
第78条 憲法によって組織法とされる法律は、国民議会の議員の絶対多数決によって可決及び改正される。
その法律は、共和国大統領が付託しなければならない憲法評議会が、憲法に適合すると宣言しない限り、公布することができない。
この憲法の第65条及び第77条は、組織法には適用されない。
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