第79条【大統領と国民議会の連絡】、第80条【法律の発議権】、第81条【国民議会及びその委員会の聴聞及び監督手段】、第82条【共和国大統領、首相及び代議員の修正権、財政法案の修正条件】、第83条【立法手続の過程における異議申立て】、第84条【法案及び一般政策の宣言の国民議会の議題への組込み】、第85条【代議員の首相及びその他の政府閣僚に対する質問、調査委員会】、第86条【信任案、不信任動議】、第87条【大統領による国民議会の解散】
第7編【行政権と立法権の関係】
第79条 共和国大統領は、自ら発信し、又は読み上げるメッセージによって国民議会と連絡を取る。このメッセージについては、いかなる審議の対象ともならない。第80条 法律の発議権は、共和国大統領、首相及び代議員に帰属する。
第81条 首相及びその他の政府閣僚は、いつでも国民議会及びその委員会の聴聞を受けることができる。その職員の補佐を受けることができる。
国民議会の常任委員会は、公共施設、国有企業及び行政機関の最高責任者を聴聞することができる。
これらの聴聞及び監督手段は、国民議会の内部規則に関する組織法の定める条件の下で実施される。
第82条 共和国大統領、首相、代議員及び元老議員は修正権を有する。共和国大統領の修正案は、首相及びその他の政府閣僚によって提出される。
代議員による提案及び修正案は、その採択が財源の減少又は支出の発生若しくは悪化をもたらす場合、そのような提案又は修正案に補填する収入の提案が伴わない限り、認められない。
ただし、国民議会は、支出項目の廃止若しくは実質的な削減又は収入項目の創設若しくは増額を目的とする場合を除いて、財政法案に対する追加条項又は修正を提案することはできない。
議会は、政府の要求がある場合、審議中の条文の全部又は一部について単独採決を行い、政府が提案又は受諾した修正案のみを採択することができる。
第83条 首相及びその他の政府閣僚は、立法手続の過程において、提案又は修正案が法律の範囲に含まれないと認める場合、これに異議を申し立てることができる。
意見の相違がある場合、共和国大統領、国民議会又は首相の要求を受けた憲法評議会は、8日以内に決定を下す。
第84条 法案又は一般政策の宣言は、共和国大統領又は首相が要求した場合、優先事項として国民議会又は元老院の議題に組み込まれる。
第85条 代議員は、首相及びその他の政府閣僚に対して書面による質問を行うことができる。これに答弁しなければならない。
代議員は、首相及び政府閣僚に対して口頭質問及び時事質問を行うことができる。これに答弁しなければならない。質問及びそれに対する答弁の後に採決は行わない。
首相及びその他の政府閣僚は、合意された期間ごとに国民議会に出席し、代議員からの時事質問に答弁するものとする。
国民議会は、その議員の中から調査委員会を任命することができる。
法律により、調査委員会の組織及び運営の条件並びに権限について定めるものとする。
第86条 首相は、閣僚評議会の審議後に、プログラム又は一般政策の宣言について信任を問うことを決定することができる。信任案の採決は、その提出から2日間が経過するまで行うことができない。
信任案は、国民議会の議員の絶対多数決によって否決することができる。信任案の否決は、政府の総辞職をもたらす。
国民議会は、不信任動議を可決することにより、政府を総辞職に追い込むことができる。
不信任動議は、不受理の罰則の下に、国民議会の議員の10分の1が署名しなければならない。不信任動議の採決は、それが国民議会の事務局に提出されてから2日間が経過するまで行うことができない。
不信任動議は、公開投票における国民議会の議員の絶対多数決によって行われる。不信任動議の賛成票のみが集計される。不信任動議が可決された場合、首相は直ちに共和国大統領に政府の辞表を提出する。不信任動議を同じ会期中に再度提出することはできない。
首相は、閣僚評議会の審議を経て、財政法案の採決のために国民議会に政府の責任を委ねることができる。この場合、前項に規定する条件の下で、その24時間以内に提出された不信任動議が可決されない限り、法案は採択されたものとみなされる。首相はまた、会期ごとに別の法案についてこの手続きを用いることができる。
第87条 共和国大統領は、首相及び国民議会議長と協議した上で、政令によって国民議会を解散することができる。
ただし、立法期間の最初の2年間は解散することができない。
解散令により、代議員選挙の投票日を定めるものとする。投票は、その政令の発行日から60日以上90日以内に行うものとする。
解散した国民議会は、会議を開催することができない。ただし、代議員の任期は、新たな国民議会の議員選挙の公示日まで満了しない。
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