R5年度第1回高認化学基礎大問1解説
大問1【化学と人間生活】
問1【高分子化合物、単量体(モノマー)と重合体(ポリマー)】
太郎さん:「先生。この間、ニュースを見ていたらプラスチックのポリエチレンテレフタラート(PET)を単量体(モノマー)であるテレフタル酸とエチレングリコールに戻すことができる反応を開発したということを日本の大学などの研究グループが発表していましたけれど、本当ですか。」花子先生:「それは本当です。PETは、多くのテレフタル酸と多くのエチレングリコールが交互に結合することでできた高分子化合物で、ペットボトルや繊維、食器、自動車部品などに広く使われているプラスチックです。高分子化合物であるプラスチックを単量体(モノマー)に戻すことができることは大変重要なことです。」
太郎さん:「どのようなところで重要なことになるんですか。」
花子先生:「プラスチックのリサイクルにおいて、廃棄や回収されるプラスチックを再利用することにはまだ多くの問題点があります。今回の研究成果はプラスチックを原料に戻すことができることにつながり、新しい製品を作りやすくなるなど、メリットが多くあります。このことは、二酸化炭素$\mathrm{CO_2}$を出す焼却処理をせずに効率的なリサイクルが可能となることにもつながるからです。」
太郎さん:「 そうなんですね。この研究成果がプラスチックのリサイクル問題への解決の一つになるといいですね。」
問2【水とエタノール】
次の図は、試験管に5mLの水を入れ、さらに2mLのエタノールを静かに加えた直後の状態と、そのまま1日放置した後の状態を示したものである。このとき起きている変化を示す語句として最も適するものはどれか。・溶解
問3【花火の色と炎色反応】
花火の色は、金属元素がもつ特有の炎色反応を利用したものである。そこで、手持ち花火を次のア~エの順に作り、花火の先端に点火して観察を行った。このとき観察される炎の色の順番として正しいものはどれか。ア 花火の炎の色を変えるために、金属元素としてナトリウム$\mathrm{Na}$、ストロンチウム$\mathrm{Sr}$、バリウム$\mathrm{Ba}$をそれぞれ含む3種類の火薬を準備した。
イ 手持ち部分の竹ひごと花火の火薬を入れる細長い和紙を作成した。
ウ 次の図のように和紙と竹ひごを接着し、細長い和紙の上に手持ち部分に近いところから順に、硝酸ナトリウムを含む火薬、硝酸ストロンチウムを含む火薬、硝酸バリウムを含む火薬を置いた。
エ 和紙を巻きながら手持ち花火を作成した。
・黄緑色 ⇒ 紅(深赤)色 ⇒ 黄色
問4【同素体】
同じ元素からできている単体で性質の異なるものどうしを同素体という。次のア~オの物質の中で同素体の関係であるものの組合せとして正しいものはどれか。・アとイ
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