『おっさん陰陽師の友人は元SKE48(4)【解決?編】』第6章
『氷河期世代のおっさんだけど、陰陽師の力で妖怪事件を解決したら、芸能人(元SKE48)の友人ができた件(4)【解決?編】』
第6章 コロンブスの卵?
「自分だけで考えても分からなかったときには、ものすごく難しい謎だと思ってたんだけど・・・こうして種明かしされると、案外単純な事件だと思えるから不思議ね。あっ、ごめんなさい。一生懸命調査してくれたのに、こんなこと言って。」「手品の種もミステリーの謎も、みんなそんなもんですよ。種や謎を明かされたら、あぁ、なんだ、そんなことだったんだってみんな思うんです。」
「晴彦君、本当にありがとう。実を言うとね、私が襲われたのも、私たち家族が名古屋に引っ越してきたのも、全部私のせいだと思ってたの。私の力は特別で、私はそれだけ特別な人間なんだって。」
「十分特別な人間だと思いますよ。」
「通り魔みたいなものだったのね。しかも、流れ妖からすれば、B級やC級の妖で始末できそうなターゲットに過ぎなかった・・・」
「謎が解明されて、もう妖に襲われる心配もなくなりましたね。」
「えぇ、これからは術師ではなく、元SKEのタレントとして力を発揮するわ。芸能界で生き残っていくために。お嬢様キャラって、まだまだ需要があるって踏んでるの。」
「でも、三十路を過ぎてからは、お嬢様ではなく女王様に見えることが時々あるので注意してください。」
「へぇー、晴彦君。随分と生意気な口を利くのね。でも、女王様キャラもそれなりに需要がありそうね。晴彦君に手伝ってもらって、女王様の練習でもしようかしら?」
「勘弁してください。練習台にされた挙句、ものすごく高額な料金を請求されそうで、いろいろな意味で怖いです。」
そんなしょうもない冗談を言い合った後に、私たちは雪雄叔父さんが晩酌をしているであろう、豊橋駅前近辺の居酒屋に向かうのであった。
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