『おっさん陰陽師の友人は元SKE48(3)【金城ひとみ編】』第2章
『氷河期世代のおっさんだけど、陰陽師の力で妖怪事件を解決したら、芸能人(元SKE48)の友人ができた件(3)【金城ひとみ編】』
第2章 妖狐使い
「私が初めて金城さんに会ったとき、彼女には狐が憑いていたの。」「狐ですか。竹井さんに黒猫が憑いていたようにですか?」
「えぇ、かわいい狐さんだったから、害はないと思って何もしなかったんだけど。それが最近、金城さん、覚醒してしまったみたいで。」
「覚醒と言いますと?」
「金城さん、彼氏と別れてから、SNSで変なメッセージを発信することが多くなって・・・」
「変なメッセージって、具体的にはどんなものですか?」
そう聞くと、桃子さんは、ひとみさんからのメッセージを私に見せてくれた。
基本的には支離滅裂なのだけれど、要約すると、
「私からお金と時間を奪った彼が許せない。お金は仕方がない。しかし、時間を奪われたことは許しがたい。もし彼が私に時間を返すことができないのであれば、その命で償うべきだ。」
「やばいですね。これが覚醒とやらですか?」
「だ・か・らー、これだけなら精神科医か心理士の案件でしょ?金城さん、彼氏と別れておかしくなったと同時に、能力を開花させてしまったみたいなの。」
「やばい精神状態になったと同時に、能力者になったわけですか。なんだか危なっかしいですね。」
「金城さんに会いにいったら、もう立派な妖狐使いになってたの。しかも、あのかわいかった狐さんも、しっぽが2本の立派な妖狐になってたの。」
「妖狐と言っても、しっぽが2本だけなら、そんなに強くはないでしょう。せいぜいC級妖怪でしょうから、モモちゃんがその場で祓っちゃってもよかったんじゃないですか?」
「だけど・・・妖狐に罪はないでしょう?今のところ。」
「あぁ、なるほど。悪意に満ち溢れているのは妖狐ではなく、金城さん本人というわけですか。」
・『おっさん陰陽師の友人は元SKE48(3)【金城ひとみ編】』目次に戻る。