『おっさん陰陽師の友人は元SKE48(2)【梅田桃子編】』第2章
『氷河期世代のおっさんだけど、陰陽師の力で妖怪事件を解決したら、芸能人(元SKE48)の友人ができた件(2)【梅田桃子編】』
第2章 桃子お嬢様
モモちゃんは私のことを晴彦と呼び捨てにする。私の方が一回り年上なのだから、普通は安倍さんとか晴彦さんと呼ぶべきだと思うのだけれど、なぜか晴彦と呼び捨てにされる。
モモちゃんはSKE時代からお嬢様キャラクターで売っていたアイドルなので、呼び捨てにされても仕方がないとあきらめている。
しかし、お嬢様のくせに無料とか割引が大好きらしく、お嬢様の財布は、居酒屋とか薬局とかの会員券、その他の割引券やクーポン券でパンパンになっている。
私がモモちゃんと少し打ち解けて話ができるようになった頃、「モモちゃんはゴルフでも有名なんだね」と言ったら、突然怒り出して小一時間説教されたことがある。
梅田桃子という同姓同名の女子ゴルフ選手がいるらしい。
私はスポーツに疎いのでよく知らなかったのである。
「あなたは40過ぎのおっさんで、立派な大人で、社会人の先輩なんですから、・・・」と説教が始まり、面倒くさいので一言も反論せずに黙って聞いていたら、モモちゃんはそれ以来、私のことを公然と呼び捨てにするようになった。
モモちゃんは竹井さんや雪雄叔父さんの前でも、私を呼び捨てにするのである。
竹井さんや雪雄叔父さんは、最初だけ少しびっくりしたような顔をしたけれど、それっきりさもありなんといった感じで傍観している。
ちなみに、私は最初モモちゃんのことを梅田さんと呼んだのだけれど、本人が梅田ではなくモモちゃんと呼んでほしいと言うので、モモちゃんと呼んでいるのである。
どうやら、梅だと松竹梅の一番下だから嫌だというしょうもない理由らしい。
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