『おっさん陰陽師の友人は元SKE48(3)【金城ひとみ編】』第6章
『氷河期世代のおっさんだけど、陰陽師の力で妖怪事件を解決したら、芸能人(元SKE48)の友人ができた件(3)【金城ひとみ編】』
第6章 豊橋の居酒屋にて
「晴彦君が妖狐の封印に失敗したと思ったら、突然金城さんを攻撃するんだから、私、びっくりして心臓が止まるかと思った。」「晴彦、事前にモモちゃんにも教えておかなきゃダメじゃないか。」
雪雄叔父さんは事件の顛末を聞いて、私をたしなめるのだった。
雪雄叔父さんは、いつも桃子さんの味方をするのだ。
「いえ、まさか封印に失敗するとは思っていなかったんです。破邪の呪法はあくまで、万一封印に失敗したときのための保険でした。金城さんに破邪の呪法を使えるかどうか、実際に会うまでは分かりませんでしたから。」
「晴彦君は、金城さんに会ったときに分かったの?」
「えぇ、何かの呪いにかかっていると。おそらく、金城さんは、能力が開花したときに、その力の制御がまだできないうちに、自分で自分に呪いをかけてしまったのでしょう。」
「あの男を殺せ・・・か。恐ろしい話だなぁ。無意識のうちに、溜めに溜め込んだ憎悪・・・確かに、いつも怒ってる奴よりも、普段は静かでおとなしくて、めったに怒らない奴の方が怖いもんなぁ。」
雪雄叔父さんはワインを飲みながら、そうつぶやいた。
「じゃあ、金城さんは病気じゃなかったんだ。」
「いえ、病気の影響もあったんだと思います。だから、心が落ち着くまで、しばらくクリニックに通った方がいいと思いますよ。」
「そうね。金城さん、早く立ち直るといいんだけど。」
「大丈夫ですよ。命がけで守ってくれる友人がいるんですから。」
「私たちのこと?・・・じゃなくて、あのかわいい狐さんのことね!」
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